入れ替わり(2)

君を好きになった日の話(番外編、亮side) ページ27

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まだ、睦月を全く意識していなくて
本当に ただただ凄く気の合う
親友だと思える様な存在になるのには
俺にしては時間は掛からなかった。

今 思えば…
睦月が友達という枠に
はまらない程 好きに…
凄く特別な存在になったのは
きっと この時からだった…



睦月と出会ってから
仲良くなって結構 直ぐの事だ。

ハンサムの皆で飲みに行って
何故かテンションが上がり切ってて
罰ゲームで飲まされ過ぎた時の事だった。

俺にしては珍しく酔い潰れ
色んな所で吐きまくっていた。

睦月も結構 色々飲んでて…

こんな嘔吐の匂いなんて
自分も気持ち悪くなって
もらい吐きしそうなのに

俺が楽になるまで ずっと背中を摩り

吐き過ぎて胃液で荒れた喉に水分を与え

仕舞いには俺の服や
睦月の服を汚してしまったり…

本当、すげぇ嫌だったと思う。

人の嘔吐物なんて
気持ち悪かっただろうし…

なのに、あいつは
その事は何も言わず何も顧みず
汚れた衣類を手洗いして洗濯し
撒き散らした所も綺麗に掃除してくれてて…

ひたすら大丈夫か？と、背中を摩り
俺の心配をしてくれていたのだ。

俺はずっと
頭が揺れていて気持ち悪くて
横目に その光景を
見る事しか出来なかった…


出る所が違うだけで、
嘔吐物なんて排便と同列だろ。

それを処理してくれた人の事を
男だとか女だとか関係無く
特別だと思わない訳が無い。

寧ろ ずっと こいつの隣に居て
何があっても こいつの味方になろう。

俺の中でそう思える存在になっていった。

その後に練習相手をしただけとはいえ
「すきです」だなんて言われた事で
(入れ替わり(1)、戸惑い 参照)
俺は睦月に恋に落ちてしまったんだろう。




ー end ー

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