80*ウインク ページ36
《マーモンside》
ラピスは補足するように言葉を添える。
ラ「向こう……………にぃに、皆、渡す、お願い………いい?」
きっと、何かあったときのために渡しておきたいのだろう。
向こうの世界の僕達がラピスのことを知らないといっても、ラピスにとっては家族。
割りきれないに違いない。
………………そこまで想ってくれていることが嬉しい。
でも、複雑だ。
これだけの血液を集めるのに、おそらく1Lの血液が必要だっただろう。
それだけラピスに負担させたことになる。
フ「………………了解した。貴様の気持ち、確と受け取ったぞ。」
Aはラピスのそんな想いを汲み取ったのか、しゃがんでラピスと視点を合わせたまま、深紅の瞳を見つめて神妙に頷いた。
そして、壊れ物を扱うかのように大事に箱に蓋をした。
X「ラピス。」
不意にボスがラピスを呼ぶ。
ラピスは振り返ってボスと向き合った。
ラ「……………ごめんなさい。」
ラピスが少し泣き出しそうになっている。
ボスがラピスの『体質』を使うのを良く思っていないのを知っているからだ。
怒られるとでも思っているんだろう。
マ「ボス、ラピスを怒らないでね。」
僕がフォローに入る。
僕は割とボスと対等に話せるから適任だ。
冷静に、落ち着いて説得する。
マ「ラピスが僕達のことを想ってやったことはボスも分かってるんだろう?嬉しいことじゃないか。」
フ「マーモンの言う通りだな。貴様はラピスのそのようなところが好ましいと思っているのだろう?」
Aがフォローに加勢してくれたのは意外に思った。
僕がちらりと窺うと、Aは僕だけに分かるようにさりげなくウインクをしてきた。
………………ふん、キザったらしい女だ。
ボスは僕とAに言われて諦めたのか、
X「………………そういうことは前もって言っとけ。」
とだけ言った。
まあ、元々怒るつもりなんて無かっただろうけど。
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lotus(プロフ) - シャーロットさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夢主の誕生日は本編に記されています。現在移行中ですが、よかったら移行先でご確認ください。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: be7ef42783 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロット - はじめまして、シャーロットと言います。lotusさんの大ファンです。夢主が大好きです。それで夢主の誕生日を忘れてしまって、ずっと引っ掛かっています。どうか教えていただけないでしょうか? (2021年5月13日 7時) (レス) id: bcfd491066 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - みりんこさん» ありがとうございます!!翼さんと相談してみますねw (2015年7月26日 19時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
みりんこ(プロフ) - 御二人ともの表現力の豊かさに感動を抑えきれません!とても楽しく読まさせていただきました。図々しいかもしれませんが、またクロスオーバー見たいです!|ω')チラッ (2015年7月26日 19時) (レス) id: d49fca3cd2 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - ポケニャンさん» ありがとうございます!続編は翼さんと相談しながらですねw (2015年7月21日 1時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
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