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72*推測 ページ28

《XANXUSside》



X「テメェは帰ると言っているが、ラピスのことは分かったんだろうな?」



俺も紅茶を口に含む。

甘味と酸味、後味に僅かな苦味と、実に豊かな味わいである。



フ「あぁ、それなりにな。貴様が近くに置く理由の推測も立てた。」

X「ほう?何だ?」



カチャ、とAがティーカップをソーサーに置く。

その音が、やけに大きく感じられた。



フ「ラピスは、自己犠牲の塊だ。昨日の騒動でも、自身の身より貴様らの心配しかしていない。」



Aは視線を紅茶と注いだまま続ける。

生気のない紫の瞳には黄金色の紅茶の揺らめきが映っていた。



フ「そして極めつけは、ラピスは貴様の心配を一番にしている。」



Aは視線を上げ、足を組み、呆れ調子で言った。



フ「昨晩聞かれた。もう一つの世界の貴様は独りではないかと。」



そしてAは少し眉をひそめる。

皮肉を言うかのような表情だと思った。



フ「よって私は、貴様は、貴様を必要とするラピスを手放したくないのだと推測付けた。」



Aは紅茶を口に運び、喉を潤す。



X「フン………………ほぼ正解か。」



俺がそう言うと、奴は紫の瞳で俺を睨み付けるように見てきた。





フ「………………結局、自慢か?ラピスは貴様のことを一番に考えているという自慢か?」

X「やっと気づいたか。」





俺は悪びれることなく言ってやる。

事実でしかない。



X「まぁ、半分は冗談だ。」

フ「…………冗談に聞こえん。」



Aが明らかに疑いの目で俺を見る。

俺は紅茶を再び口に含む。

不思議と、紅茶は冷めていなかった。

魔術で細工をしているのだろうか?



X「俺があいつを手放さない理由か?」



俺は目の前にいる魔術師に目を向ける。

ラピスと同じように真っ直ぐと向けられる紫の瞳。

ふと、ラピスに似ていると思ってしまった。



X「………………まぁ、いい。どうせテメェはいなくなるからな。」



ラピスに似ていると思ってしまい、つい甘くなった。

コイツの瞳も、悪くはない。

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設定タグ:リボーン , ヴァリアー , クロスオーバー   
作品ジャンル:アニメ
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lotus(プロフ) - シャーロットさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夢主の誕生日は本編に記されています。現在移行中ですが、よかったら移行先でご確認ください。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: be7ef42783 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロット - はじめまして、シャーロットと言います。lotusさんの大ファンです。夢主が大好きです。それで夢主の誕生日を忘れてしまって、ずっと引っ掛かっています。どうか教えていただけないでしょうか? (2021年5月13日 7時) (レス) id: bcfd491066 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - みりんこさん» ありがとうございます!!翼さんと相談してみますねw (2015年7月26日 19時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
みりんこ(プロフ) - 御二人ともの表現力の豊かさに感動を抑えきれません!とても楽しく読まさせていただきました。図々しいかもしれませんが、またクロスオーバー見たいです!|ω')チラッ (2015年7月26日 19時) (レス) id: d49fca3cd2 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - ポケニャンさん» ありがとうございます!続編は翼さんと相談しながらですねw (2015年7月21日 1時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:-翼-&lotus x他1人 | 作者ホームページ:http://   
作成日時:2013年10月9日 15時

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