71*一対一 ページ27
《XANXUSside》
コン、コンッ
朝食も終わり、自室に戻り、デスクワークに取りかかろうとしたとき。
部屋のドアをノックする音が聞こえた。
X「入れ。」
誰かは分かっている。
ノックだけでこんなにも威風を表現するのは、一人しかいない。
フ「失礼する。」
入ってきたのは、案の定Aだった。
X「…………何か用か?」
フ「世界が違うと言えど、我が契約主。離れる前に挨拶を、と思っただけだ。」
Aは我が物顔でずかずかと部屋に入り、ソファーに座る。
遠慮というものが全く感じられない。
…………………仕方がない。
デスクワークは今度に回すか。
俺もAの向かいのソファーに座る。
俺が座ると、Aはパチンと指を鳴らし、ティーセットを出した。
最早驚くこともない。
フ「紅茶でいいか?」
X「好きにしろ。」
紅茶は嫌いではないが、特段好きというわけでもない。
しかし、Aの淹れる紅茶は少し気に入っている。
X「ラピスはどうした。」
フ「知らん。何かすることがあると言って、何処かに行った。」
俺が問うと、Aはこちらを見ることなく答えた。
こう考えると、コイツと一対一で話すのは初めてか。
フ「世話になったな、この数日間。」
黄金色をした液体で満たされたティーカップを渡しながらAが言う。
勿論ティーカップは宙に浮いていた。
それぐらい手を使えと思わなくもない。
X「別に、俺は何もしてねえ。テメェが勝手に来て、勝手に帰るだけだ。」
実際、コイツは唐突にやって来た。
腕にラピスを抱えて来たときはかっ消してやろうと思ったぐらいだ。
フ「くくっ…………貴様はラピスがいないと、もう一つの世界の貴様と大して変わらんように見えるな。」
Aが口に紅茶を運びながら楽しげに言う。
その様が異様に絵になる女だ。
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lotus(プロフ) - シャーロットさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夢主の誕生日は本編に記されています。現在移行中ですが、よかったら移行先でご確認ください。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: be7ef42783 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロット - はじめまして、シャーロットと言います。lotusさんの大ファンです。夢主が大好きです。それで夢主の誕生日を忘れてしまって、ずっと引っ掛かっています。どうか教えていただけないでしょうか? (2021年5月13日 7時) (レス) id: bcfd491066 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - みりんこさん» ありがとうございます!!翼さんと相談してみますねw (2015年7月26日 19時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
みりんこ(プロフ) - 御二人ともの表現力の豊かさに感動を抑えきれません!とても楽しく読まさせていただきました。図々しいかもしれませんが、またクロスオーバー見たいです!|ω')チラッ (2015年7月26日 19時) (レス) id: d49fca3cd2 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - ポケニャンさん» ありがとうございます!続編は翼さんと相談しながらですねw (2015年7月21日 1時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
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