69*ホットミルク ページ25
フ「……………」
一瞬見つめあったAの瞳はそのままワインボトルのほうへと向かう
本当はもうすこし飲みたいところだが、あまりラピスを夜更かしさせすぎではあとでザンザスだけでなく、ほかの幹部達のなにかしら言われることもあるだろうから、そんな面倒事はできればさけたい
しかし、やはりボトル1本分は飲み干したいと考えるAは、とりあえず、ボトルの残量を目で確認する
フ(今グラスに入っているのも含めて、あと2杯分、か)
フ「………ならばあと2杯飲み終わるまで待てるか?」
ラ「うんっ……………」
だが、そのままラピスを立たせっぱなしというわけにはいかないので、横に座るよう促す
そうすれば、ラピスはすこし嬉しそうに頬を緩ませ、ちょこんとAの横に座った
黒い髪に白いネグリジェを着るAと、金を含んだ白い髪に黒いネグリジェを着たラピスが並んで座る姿は、実に対照的ながらも、美しさを感じるものだった
フ「せっかくだ、貴様にも何か用意してやろう」
軽く指を鳴らせば、テーブルの上にチェック側の可愛らしいマグカップは現れる
ゆらゆらと白い湯気が立ち上り、なかにはホットミルクが注がれていた
ラ「ありがと……………」
自分の手よりすこし大きなそのカップを両手で包み込み、軽くふぅ、ふぅ、と息を吹きかけてから少しずつ飲んでいく
そうやってラピスがゆっくりとミルクを飲んでいる間に、Aは最後の1杯に差し掛かった
ラ「A、朝、ありがと」
フ「ん?あぁ、歪のことだな、言っただろう、もともとあれは私が引き起こした小さな歪みが原因で発生したもの、それによる害悪から他者を守るのは当然のことだ」
案にそれ以上の礼など必要ない、とAは言っているのだが、ラピスは首を小さく横に振り、彼女の瞳を見つめた
ラ「ラピス、守る、できる、ない、だから……………家族、守る、ありがと」
ラピスにとってヴァリアーは家族だ
しかし、非力な彼女ではあの時、歪から誰かを守ることはできなかった
異物である歪をいつまでも放置していたらどうなっていたからわからない
Aだから、空間の歪みをなおし、歪を完全に消し去ることができた
Aにとっては当然のことでも、ラピスにとっては、自身以上に家族であるヴァリアーを守ってくれたことに心の底から感謝をしているのだ
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lotus(プロフ) - シャーロットさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夢主の誕生日は本編に記されています。現在移行中ですが、よかったら移行先でご確認ください。 (2021年5月13日 9時) (レス) id: be7ef42783 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロット - はじめまして、シャーロットと言います。lotusさんの大ファンです。夢主が大好きです。それで夢主の誕生日を忘れてしまって、ずっと引っ掛かっています。どうか教えていただけないでしょうか? (2021年5月13日 7時) (レス) id: bcfd491066 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - みりんこさん» ありがとうございます!!翼さんと相談してみますねw (2015年7月26日 19時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
みりんこ(プロフ) - 御二人ともの表現力の豊かさに感動を抑えきれません!とても楽しく読まさせていただきました。図々しいかもしれませんが、またクロスオーバー見たいです!|ω')チラッ (2015年7月26日 19時) (レス) id: d49fca3cd2 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - ポケニャンさん» ありがとうございます!続編は翼さんと相談しながらですねw (2015年7月21日 1時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
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