65＊王子 ページ21
《ベルフェゴールside》
三人でドルチェを食べ終えようとしたころ、
フ「アフタヌーンティーなら紅茶が必要だな。」
Aはそう言って、キセルから煙を出し、ティーセットを出した。
マジで何でもありだな、魔術師…………。
姫もオレもAから紅茶を受け取る。
黄金色の液体がカップの中で煌めいている。
ベ「……………ん、これ美味いな。」
一口含むと、紅茶の香りが広がり、甘味、苦味、酸味、渋味が程よく感じ取れた。
今まで飲んだ紅茶の中では確実に一番美味い。
フ「私が品種改良したものだ。味が良いのも当然だ。」
ベ「しししっ、自信満々だな。」
普通ならムカつくんだろうけど、Aならそうは思わない。
これがAなのだろう。
フ「もう一つの世界の貴様も、この紅茶を気に入っているぞ。」
ベ「あ、それずりーかも。この紅茶だったら毎日飲みてーし。」
フ「くくくっ、どこの世界の貴様も、大して変わらんな。」
Aはふっと笑い、少し目を伏せた。
フ「貴様は…………どこの世界でもベルフェゴールということか。」
その瞳は、子供の成長を見守る親のようなもので。
オレには、あの生気のない紫の瞳と同一のものだとは思えなかった。
ベ「…………A、何言ってんの？」
オレは、Aを真っ直ぐと見つめる。
Aに、オレの目は見えているだろうか。
ベ「オレがオレって…………そんなの、当たり前じゃん。」
今、この時間だけ。
明日にはいなくなるんだから、せめて今だけは。
ベ「だってオレ、王子だもん。」
この世界のオレを見てほしい。
Aがいなくなるのを残念に思ってるのは、何も姫だけじゃない。
オレだって、本当はかなり残念に思っている。
だって…………ずりーじゃん。
同じオレなのに、こんなに面白い奴が傍にいるなんて。
同じオレなのに、こんなに面白い奴に教育されてたなんて。
まぁ……………向こうには姫がいないらしいけど。
だから、今だけ。
今だけは、もう一人のオレと比べないで、このオレを相手にしてほしい。
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lotus(プロフ) - シャーロットさん» 初めまして、コメントありがとうございます。夢主の誕生日は本編に記されています。現在移行中ですが、よかったら移行先でご確認ください。 (2021年5月13日 9時) (
レス) id: be7ef42783 (このIDを非表示/違反報告)
シャーロット - はじめまして、シャーロットと言います。lotusさんの大ファンです。夢主が大好きです。それで夢主の誕生日を忘れてしまって、ずっと引っ掛かっています。どうか教えていただけないでしょうか？ (2021年5月13日 7時) (レス) id: bcfd491066 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - みりんこさん» ありがとうございます！！翼さんと相談してみますねｗ (2015年7月26日 19時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
みりんこ(プロフ) - 御二人ともの表現力の豊かさに感動を抑えきれません！とても楽しく読まさせていただきました。図々しいかもしれませんが、またクロスオーバー見たいです！|ω')ﾁﾗｯ (2015年7月26日 19時) (レス) id: d49fca3cd2 (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - ポケニャンさん» ありがとうございます！続編は翼さんと相談しながらですねｗ (2015年7月21日 1時) (レス) id: 63950fc00b (このIDを非表示/違反報告)
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