【怠惰な王子と元教育係】瞳の邂逅 ２【無償の………】

57＊明日 ページ13

フ『空間の修復か本日中に終わる、その後の様子も念のため観察しておきたいので、明日の昼には帰ることとする』

朝食時、スープに手を付けながらAは唐突にそう言った
もともと長くいる予定ではなかったとはいえ、なんやかんやでここに馴染んだ彼女が去ることを、ヴァリアーの面々はすこし寂しく思っていた

そして、誰よりもそれに対して落ち込んでいたのはラピスだった

ラ「……………」

椅子に座り、しょぼんと俯くラピス
そんな彼女の様子を先程任務から帰ってきた幹部も含め、心配そうに伺っている
ちなみに、ザンザスは自室へと戻っており、Aは空間修復の細かい作業のため、同じく部屋に戻っている

べ「姫、元気ねーな………」

マ「そりゃあ昨日のこともあったうえに、朝いきなり明日には帰るなんて言われたからね………」

ス「つくづくあいつは自分のペースしか知らねぇなぁ」

とはいえ、自分達がAに何か言ったからといって、彼女が帰るということが変わることでもない
せめて、今できることがあるとすればラピスを慰めることぐらいだった

ル「ほらほら、ラピスちゃん！いつまでも落ち込んでちゃダメよ〜！今日を入れてあと2日しかAといられないならその時間を大事にしないと！」

落ち込むラピスの肩に手を置き、明るくルッスーリアがそう言った
うん………と、小さくラピスは言うものの、あまり元気になったようには思えない
そんな状況に、さて、どうしようかと幹部一同は頭を捻る

レ「やはり、ここはAに何かしら言わせればよいのではないか？」

マ「彼女がラピスのために気の利いた言葉の1つでも言えると思うかい？」

ス「……………あんまり思えねぇなぁ」

べ「でもさ、現場それが一番よさそうじゃね？とにかくAのやつ連れてこようぜ」

いつまでも話し合っているだけではどうしようもないため、とにかく、まずはAを呼んでくることにした
いざとなれば力づくという手も考えつつ、ベルとスクアーロの2人で向かうこととし、扉の方へと
足を進める
だが、そんな時だった



ドドォォォォン！



レ「ぬおっ！？」

ル「まっ！なに！？」

―――

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