【怠惰な王子と元教育係】瞳の邂逅 ２【無償の………】

51＊承知した ページ7

フ「私は貴様の遊び相手になったつもりはないぞ
それと、修復自体は2,3日あれば完了する、問題なく全てが終わればすぐに戻る、その厄介そうな仕事というものも気になるからな」

ベ『えー、歪みってのはちいせぇんだろ？お前ならさっさと治せるんじゃねーの』

フ「言っただろう、今回のことは過去に事例がない、それである以上、慎重にいきたいのだ」

マ『また、研究するための時間を長引かせたいってだけなんじゃないのかい』

フ「………知らんな」

Aともう1つの世界のヴァリアーとの会話は実に自然なものだた
一応まだ警戒心を持っている自分達とは異なり、さらさらと穏やかに流れるようなものを感じ、また、Aの声の調子も心なしか軽いような気もしない


『おい』


シンッ………、と水を打ったように静まり返る
威圧感のあるその低い声に思わず向こう側だけでなく、こちらまで静まり返った
最も、その声の主と同じ存在であるザンザスだけは実に平然と、そしてやや興味があるのか、静かにその先の言葉に耳を澄ませていた

フ「ザンザスか」

X『………そっちの世界ってのはどんなもんだ』

フ「さほどそちらと変わらんよ、存在する人物、その内面も、そして過去も暇つぶしに覗いてみたがあまり変わらん、ただ……………」

言葉を止め、ちらりとAはラピスを見る
ラピスは不思議そうに首をかしげると、Aはふっ、と小さく息を漏らし、言葉を繋げる

フ「こちらには、そちらにはいない小さな白き姫がいるがな」

X『あ゛？』

フ「くくっ、そちらに戻った時に土産話にでも聞かせてやる、楽しみにしているのだな」

X『………とっととその修復とやらを終わらせて戻ってきやがれ』

フ「承知した、我が契約主よ」

わざとらしくややかしこまったようにそう言えば、向こうのベルの早く帰ってこいよ！という言葉のあとに通話が終了する
8分43秒、なかなか長い電話だったようだ

―――

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