44*ベタ ページ47
《XANXUSside》
フ「………………貴様、とことんラピスには甘いな。」
ノックをして返事を待つことなく俺の部屋に入ってきたAからの第一声だった。
現在時刻は午後2時。
いつもならカウチに横になり、ラピスと共にシエスタをとっている時間帯である。
しかし、今日は起きていた。
いや、正確に言うと起こされていた。
何故なら。
ラ「にぃに……………続き………。」
ラピスに本の読み聞かせをしていたからである。
昼食も軽めに終わり、部屋で寝ようとしたところ、ラピスが青い本を持ってやって来た。
書庫でも見かけないものだったので何かと尋ねたところ、Aにイタリア語に訳して貰った本らしい。
俺はそのまま寝ようとしたが、ラピスに読み聞かせをせがまれた。
ベルに頼めと言ったが、生憎ベルは任務で外に出ている。
他のやつらも暇ではないらしい。
……………Aに貰ったんならAにしてもらえばいいだろ。
そう思いつつも、ラピスの願いを拒むことも出来ず、今に至る。
思えば、俺は一度もこういう風に誰かに読み聞かせをされた覚えもした覚えもない。
やり方が分からないが、膝の上にいるラピスが満足しているならそれでいいのだろう。
X「どっかの誰かがラピスに本をやったらしくてな。」
フ「ほう。何処のどいつだろうな。」
俺の皮肉をさらりと流し、Aは涼しい顔で俺の斜め向かいにあったソファーに腰掛け、手に持っていた黒い本を開いた。
ラ「A……………本、読む?」
フ「何、暇潰しだ。声をかけても構わん。」
パラパラとページを捲りながら言うA。
じっくりと読む気はなく、本当に暇潰しらしい。
フ「その本はどうだ?知人が書いたものなのだが。」
Aが黒い本から視線を上げることなく俺達に質問を投げ掛けた。
ラ「……………感動……?」
X「清々しいまでにベタな感動もので笑えてくるな。」
率直な感想を言ってやる。
Aはそんな飾ることのない言葉が気に入ったのか、目線を俺達に向け、口の端を上げた。
フ「くくっ、そうだろう?私もそう思っている。」
Aがラピスに渡した本は感動系のストーリーである。
しかも、かなりベタな。
…………………子供・貧困・不治の病の三つが揃ってると来やがる………。
何てベタな本だ。
魔術師もこういうものを読むのか。
そういう面では人間とあまり変わりがないのかもしれない。
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MiA - また、機会があれば、読まさせていただきたいですし、この作品は何度も何度も読んでいて、心があったかくなります(^-^)風邪に気をつけて無理をなさらず、頑張って下さい!!ずっと応援してます(*^-^*) (2013年12月8日 11時) (レス) id: 9f43537076 (このIDを非表示/違反報告)
-翼-(プロフ) - MiA様>完結してまでのコメントありがとうございます!私自身も読み返しては、同じシーンをほくほくしながら見ておりますwまた、このような機会が設けられた際も、よろしければ見ていってくださいませm(__)m (2013年12月7日 23時) (レス) id: 76f6d6259b (このIDを非表示/違反報告)
lotus(プロフ) - MiAさん» ありがとうございます!クロスオーバーは完結してしまいましたが、また機会があればよろしくお願いいたします! (2013年12月7日 23時) (レス) id: e1c255a2f7 (このIDを非表示/違反報告)
MiA - クロスオーバー凄く良かったです(^-^)vラピスちゃんとの会話や、ラピスちゃんがうさぎを抱っこしてるところが可愛くてヤバいです(*^^*)この作品が凄く大好きです(*^-^*)これからも頑張って下さい!! (2013年12月7日 23時) (レス) id: 9f43537076 (このIDを非表示/違反報告)
-翼-(プロフ) - sognoさん» ありがとうございます!lotusさんのためにも、そのファンの方々のためにも可愛らしいラピスちゃんを書けるよう頑張ってます!私自身がlotusさんの作品が好きだから大切にしたいというものあるのですがw、続編でも頑張っていきます^^ (2013年10月9日 15時) (レス) id: 881cfdff06 (このIDを非表示/違反報告)
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