ぐつわるいな【赤葦京治】

57もや ページ13

3日目、仮装行列。





Aたちのクラスのテーマは、『童話』である。



統一感のない童話の登場人物の仮装をして、歩くことになっている。








モブ1｢さわは白雪姫に出てくる魔女なんだw｣




モブ2｢似合うわw｣




さわ｢それどういう意味かな！？

3人は小人で羨ましいわ……｣




モブ3｢Aつんは…雪女？だよね｣




A｢そうなんだよね…

顔とか腕とか、露出してる肌に白いヤツ塗りたくられた｣




モブ1｢う、美しすぎる…｣




モブ2｢Aつん似合いすぎ！！

てかさ、魔女と小人と雪女って、もはやここだけで絵面がカオスw｣








という感じで、仮装の衣装は本当にバラバラだ。



唯一統一されていることと言えば、童話というテーマのみ。








女1｢ねえねえ、あの二人見たー？｣




男1｢見た見た！！｣




女2｢あの二人、本当に似合うよね！｣




男2｢マジで絵になるよなー｣








そんなクラスメイトたちの会話が聞こえてくる。



一体みんなは、誰のことを指しているのだろうか。






まあ、だいたい誰と誰なのか分かるが……








高畑｢やだー！そんなことないって！！｣








みんなの中心には、シンデレラの衣装を身にまとった高畑と、チャーミング王子の衣装を身にまとった赤葦がいた。





それを見たAは、本当にお似合いだと、心の底から思った。






嫉妬心とか、悔しさとか、悲しさとか、寂しさとか、そんなものはもうどこにもない。








さわ｢高畑め…、図に乗りやがって｣




モブ1｢クソ、爆発でもすればいいのに｣




モブ2｢二人とも怖すぎ！

それにAつんの前でやめなって…｣




モブ3｢Aつん気にしちゃダメだよ？
高畑さんいつもあんなんだし…｣








唯一心が痛むのは、みんなが私に気を使ってくれていること。







もうやめていいんだよ？───────

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