検索窓
今日:7 hit、昨日:0 hit、合計:19,190 hit

少女とポートマフィア14 ページ23

___________

___



あれからどのくらいたったのだろうか。

着替え、という行為は
こんなにも疲れるものだったのか。


長い長い着せ替えがようやく終わり、
フリフリしたろりーた服なるものと
高級感のある質の良い着物をいただいた。
(その他にも渡されかけたが申し訳ないと断った)



『....何処で着ればいいのだろうか』

........本当に何処で着るんだこれ、
まさか仕事中も...?


今までほとんどぼろ布と化した衣服を
纏っていたため、
装飾品の多さに困惑した。





だが、ポートマフィアの首領と幹部直々に
いただいたのだ、無下にはできない。

そもそも、入りたての小娘に衣服を
与えられること自体、稀なことだろう。



それに、何が強さの元となるかは判らない。





(__強さとは、単純に見えて実に多種多様である)



何かしらの形で強さになるのならば、
私はそれで構わない。


.......其所まで読み取った上での
着せ替えだったのだろうか。



『___流石は首領だ』









______

__





「実に興味深い新入り()だねえ」

「.....(引いた目)」

「違うからね?!」

(わっち)はまだ何もいっておらぬが」

「そんな蔑んだ目で睨まれたら解るよ...。







興味深いというのは、彼女の闇の中だ。

ポートマフィア(ここ)は闇を抱えた人間なんて
珍しくない。
というより、大半が抱えているだろうね。



だけど、彼女の闇はまた異質だ。


あの若さにして、世の(ことわり)をよく理解している。

...知り過ぎなくらいにね。

故にその闇は、より深く、より黒い。
底の見えない、否、底なんて無い、
終わりのない悪夢。


にも関わらず、凛として歪まぬ軸がある。
確かな信念がある。
貫き通す覚悟もある。








だが、いずれそれが彼女の最大の足枷(あしかせ)となるだろうね。

信念の強さ故に、自らの信念を壊してしまいかねない」





「.......彼奴(あやつ)は何とも不思議な幼子じゃ。

アベコベ、と云うのかのう。
私にはそのくらいにしか表せられぬ。


歪んでいるが、真っ直ぐな童じゃ。
天然、と云うに近い感覚じゃの。




____何か策があるのじゃろう?」


「嗚呼、勿論。

彼女は強い。
ポートマフィアにとって、強力な戦力となるだろう。


だがそれが壊れてしまっては元も子もない。
だから入れたのだよ」






そんな会話があった事等、
私には知るよしもなかった。

少女とポートマフィア15→←作者から



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (26 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
61人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:al作者 | 作成日時:2018年12月15日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。