少女とポートマフィア14 ページ23
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あれからどのくらいたったのだろうか。
着替え、という行為は
こんなにも疲れるものだったのか。
長い長い着せ替えがようやく終わり、
フリフリしたろりーた服なるものと
高級感のある質の良い着物をいただいた。
(その他にも渡されかけたが申し訳ないと断った)
『....何処で着ればいいのだろうか』
........本当に何処で着るんだこれ、
まさか仕事中も...?
今までほとんどぼろ布と化した衣服を
纏っていたため、
装飾品の多さに困惑した。
だが、ポートマフィアの首領と幹部直々に
いただいたのだ、無下にはできない。
そもそも、入りたての小娘に衣服を
与えられること自体、稀なことだろう。
それに、何が強さの元となるかは判らない。
(__強さとは、単純に見えて実に多種多様である)
何かしらの形で強さになるのならば、
私はそれで構わない。
.......其所まで読み取った上での
着せ替えだったのだろうか。
『___流石は首領だ』
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「実に興味深い
「.....(引いた目)」
「違うからね?!」
「
「そんな蔑んだ目で睨まれたら解るよ...。
興味深いというのは、彼女の闇の中だ。
珍しくない。
というより、大半が抱えているだろうね。
だけど、彼女の闇はまた異質だ。
あの若さにして、世の
...知り過ぎなくらいにね。
故にその闇は、より深く、より黒い。
底の見えない、否、底なんて無い、
終わりのない悪夢。
にも関わらず、凛として歪まぬ軸がある。
確かな信念がある。
貫き通す覚悟もある。
だが、いずれそれが彼女の最大の
信念の強さ故に、自らの信念を壊してしまいかねない」
「.......
アベコベ、と云うのかのう。
私にはそのくらいにしか表せられぬ。
歪んでいるが、真っ直ぐな童じゃ。
天然、と云うに近い感覚じゃの。
____何か策があるのじゃろう?」
「嗚呼、勿論。
彼女は強い。
ポートマフィアにとって、強力な戦力となるだろう。
だがそれが壊れてしまっては元も子もない。
だから入れたのだよ」
そんな会話があった事等、
私には知るよしもなかった。
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作者名:al作者 | 作成日時:2018年12月15日 15時