プロローグ ページ1
___どんな場所にも光と影は存在する。
そして、光が強ければ強い程に、
影は濃く、深く、底の無い闇へと変わる。
ここはきらびやかな建物が連なる大都市。
されど奥に入れば、
そこは街灯も日光すら当たらない程、
闇に呑まれたゴミ山が広がっていた。
所謂、貧民街。通称は【ゴミ箱】。
ここは、地上の人間が捨てたゴミで形成されている。
それは、残飯や服、機械から
_________人間まで。
Aは、ゴミ箱に捨てられた人間の一つだった。
捨てられたことを彼女は
嘆くわけでも、憤るわけでもなく、
ただ冷静に受け止めていた。
齢10歳の少女にして、彼女は世の闇を
知りすぎていた。
彼女含むここの人間は
地上から捨てられるゴミを頼りに生きていた。
___そのため、争いも多かった
「待てやごらあ!!!!!!!」
「この糞餓鬼ッ!!!!!」
...ここでは奪い合いが日常、弱肉強食が法律。
奪われた方が悪いのに、なんて
考えながら走っていた。
常日頃から逃げ回っているとはいえ、
大の男複数人に連日追い掛けられるのは
体力的にキツい。
このままだと流石に捕まる...
それでは_
(__強くないと、幸せにはなれないのさ)
私は、幸せになれない。
行き止まりに差し掛かる。
後ろからは男が迫ってくる。
このままでは...!
『異能力【鏡呪】』
_____え?私今何て
確かに、私の声がした。
その正体を確かめようとしたが...
出来なかった。
何故なら。
目の前に広がる光景から、
ゴミ山が消えていたのだから。
『......ここは...』
見覚えのない場所。
....だが、ゴミ箱と近しい臭いがした。
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作者名:al作者 | 作成日時:2018年12月15日 15時