【歌.い.手】男装歌い手はじめました【そらる】 (ページ9)

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#09 撒きたいページ9

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４時間目の数学の授業。

みんなの視線がチラチラ隣と後ろに向けられる。

あーーもう少しで授業終わっちゃうよどうしよ…

屋上いくべき？行かないべき？どうするあたし！！

いやでも男装がバレたっていう話じゃないかもしれないじゃない？

下の名前のことを追求して来るか、Aのありとあらゆることを聞き出す…とかはないか

えーやっぱりバレたの？？バレた感じ？？

うぁぁぁぁぁどうする！！！！！

リアルに頭を抱えて机に伏せる。

もうこの弱い頭には無理…誰か助けて…

って言っても助けを求める友達いないわ、自分で言ってすごく寂しい。

無駄に友達いない説が乗っかって、さらに頭を抱えたところで授業が終わった。

みんなお昼の準備始めてる…

いいなお前らは幸せそうだな…←

「ねぇ～小林くん、彼方くん、真冬くん、一緒にお弁当食べないっ？♡」

でたよ、甘ったるい声。
この猫なで声嫌いなんだよな…

というか、今朝の彼方さんとのやりとり覚えてるかな？？ん？？？

『ごめん、この後彼方さんと用事があるから』

そう言ってお弁当を持ち、彼方さんと目を合わせる

「それってぇ、愛生も行っちゃだめぇ？」

『愛生ちゃんは待っててね、ごめん』

あしらったつもりだけど、まだ少しついて来る。

なんでそこまでしてついて来るのか。

うざいな←

撒かないと、と思ったあたしは彼方さんに耳打ちをした

『…少し歩きますよ』

すると耳打ちに驚いたのか、彼方さんは目を見開いた。

転入生設定の彼方さん、使えるわ

『あっじゃあ、校内見学でもしてから行こっか』

愛生に聞こえるように少し声を張った。

まぁ聞こえたみたいだけどまだついて来る。

本気で撒きたい、と思ったわけで
少し足を早めた

早く諦めてくれないかな、

こっちは彼方さんっていう問題抱えてんだよ…

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