【覆面系ノイズ】放課後、旋律がきこえる【杠 花奏】

# 12 ページ12

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モモside




Aを1人にするのは少し気が引けたが、仕方なくAを置いて音楽室に戻ってきた。




ドアが開いていた。まだ中に人がいるのか



入ろうとしたら、杠の声がした。


『…僕が、裏切った子の声だよ』



…なんだ、気づかれたか。

まぁ仕方ないな



『へぇ、それは誰のことだ？』


背景に変化があれば曲調も変わる。


それと同じく、最初考えていた行動とは別の行動をとることにした



『…！アンタは…！』


金髪のオネェが俺に気づき、目を丸くする


『…誰よ？』


ズコーっと杠が滑る音がした


『なんだよハルヨシ！知ってるんじゃないの？！』

『知らないわよ！新入生かしら？』


赤く腫れた目で杠のツッコミに一言で済まし、俺の方を向く

そして金髪の問いに対して俺は無言で頷く


『榊…今のは』


『それより』


説明しようとした杠を遮り、近づいていく

その言動に2人は驚いたような表情


まるで、問いかけといてどうでもいいのかとでも言いたげな。


『俺のプレイヤー知らないか？さっきここで落としたんだ』


そして、ここにきた本来の目的

プレイヤーの回収


『…あぁ、これ？ついさっきまで流れてたよ』



杠が床に落ちているプレイヤーを拾い上げ、俺に手渡す


こいつの目は常に俺の目を捉えていた



…そんなようにAの事も見てやってほしかったな


そんな気持ちを抑え、2人に背を向ける


『…さっきのライブ、良かったぞ』



そう一言残し、音楽室を後にした。







軽音楽部か。



昨日の曲…イノハリのハイスクールだよな




周りのやつらは「カバーだ」って言っていたが

あれはカバーではないだろう




イノハリ本人たちによる歌だ






『…素人が』







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