天使になった彼女【第五人格】

深緑29 ページ30

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Aさんが倒れたって聞いて医務室に行ったけど、ダイアー先生に追い出されてしまった。
それなのに、ナワーブは無理やり部屋に入って、彼女がどうしてそうなったのか中で聞いてた。


運んできたらしいイソップは良いとして…なんでナワーブも中にいるんだよ、腹立つ。


他のサバイバー達は追い出されてから諦めて散らばっていたけど、僕は扉の所に居たんだよね。


壁に寄りかかって、そのままそこで漏れてくる話を聞いた。
ここに彼女が来た理由、天使の仕事。
ダイアー先生の言う通り…公にしてしまうとAを虐げるような者も出てくるだろう。
まぁ、あの性格なら…無理に力を振りかざしたりとか、絶対ありえないけど。


ーーAは俺が守る

ーーAを大切に思っているのね、じゃあ彼女の事は任せるわ


どうしてナワーブなんだ、別にそこは僕だっていいだろう？

その後、二人が部屋から出てきたので急いでその場を離れた。


ーー
ーーー


ダイアー先生が、夕方のゲーム負傷者の治療に行ったのを見計らい医務室に入る。Aさんはまだ目を覚ましていない。
ベッドの横まで椅子を動かして座る、本を読みながら…彼女の目が覚めるのを待った。


『キャンベルさん？』


そんなに時間は経たず、目を覚ましたAさんは僕の名前を呼んだ。不思議そうにしていたので、ここに来るまでの経緯を簡単に説明する。


『はい、でもどうしてキャンベルさんがここに？』


実際は交代なんてしていないが、もっともらしい理由で彼女を納得させる。申し訳なさそうにしていたが、僕は君とこうやって二人になれたんだから…感謝しているよ？


「ううん、Aさんが目を覚ましてくれて良かった。顔色も悪くはなさそうだね？」


そう言いながら、自然に彼女の頬に触れる。顔色を確認してるとでも思っているのだろう、特に振り払われる事はなかった。

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