今日:3 hit、昨日:1 hit、合計:8,965 hit
小｜中｜大
17 ページ18
.
「宮くん、」
「覚えてるん？
記憶喪失なんちゃうん？」
「覚えてへん
けど、友達から聞いた」
その会話が終わってしまうと急に沈黙が訪れる。
私に話したいことってなんやろ。
そう言えばリングのこと、きかな。
私は口を開いた。
それと同時に宮治も口を開く。
「あ、先どうぞ」
私は手を前に差し出した。
宮治は話し始める。
「飛鳥、ほんますまん
俺のせいでこんなことになってしもて」
「俺のせいで、ってどういうこと？」
彼の話すことが全く検討もつかない。
「いや、記憶喪失」
「え、宮くんのせいなん？」
「しらんの？」
「教えてくれへんねん
ママもパパも、みんなスルー」
宮くんは言いずらそうに首に手を当てる。
正直、そこまで興味の無い原因を聞くよりも私はリングのことが気になった。
「それよりも、教えて欲しいことあんねやけど」
「何？」
「リング、私の部屋にあって
内側にミヤオサム、って書かれてんの」
表情を全く変えない彼に話を続ける。
「友達から聞くと私と宮くんってあんま接点なかったらしいねん
宮侑と付き合うてただけでな」
「……そうなんや」
私は宮治の口元が動くのを待った。
宮治はまた首に手を当てて口を開く。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 39人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：栗原 | 作成日時：2018年10月7日 19時
