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「なぁ、前の私ってどんな人やったん」
昼休み、お昼の菓子パンを片手に私は友達の横顔を見つめる。
みんな揃って顔を合わせて急に何聞くん、という顔をしていた。
「えー、飛鳥?」
「そう、少しでも思い出したいねん」
「性格自体はあんま変わらんとちゃう?」
「まあちゃっかり美味しいところ持ってくやつやったわ」
私は聞き入るように彼女らの話に相槌を打つ。
「例えば?」
「例えば、あの宮侑と付き合ったりな!」
声のボリュームをあげて大笑いする皆。
私にはそれが全く分からず、ぽかんと口を開ける。
「あのって、宮くん?」
「そーそー、隣のクラスにもおるやろ宮治!
双子やし、バレー部のエース?やし、イケメンやし、背ぇ高いし!」
「そんなハイスペックイケメンとちゃっかり付き合うたんがあんたやな」
テンションが上がったのかみんなは口々に私についての話を始める。
ある人はテストで赤点ばかりだった、とか。
またある人は運動はからっきしだめだった、とか。
色々いいことも、わるいことも。
そんな話を聞くのは少し心地がよかった。
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作者名:栗原 | 作成日時:2018年10月7日 19時