memory of red 2 -sho- ページ36
・
それから俺と悟は施設で育った。
俺は高校二年になって、悟は中学三年になった時。
あの日の事件を担当していた刑事さんが訪ねてきて、こう言われた。
『松本が、死んだ。』
１１年間恨み続けてきた相手が死んだと聞かされた時、俺はどう思ったのかな。
ただ隣にいる悟が震えているのに気が付かなかったんだ。
そしてその数日後、
『二宮が、死んだ。』
またもや伝えられた言葉にも、ただそっけなく相槌を打っただけだったと思う。
ただ興味がなかったし、もうあの事を思い出すのも嫌だったから。
けれど刑事がもう一度顔を出しに来た時はさすがに驚いた。
発された言葉は、
『相葉が死んだ。』
あまりにも偶然とは思えない事態にさすがに身震いがした。
懐かしい‘トモダチ’の顔を思い出して、その子たちの親だったとまた胸が一つ締め付けられる。
でもそれと同時に、神が処罰してくれたんだと。
そう冷たい心の中で理解した。
小さい頃読んでいた絵本に載っていた。
正義は必ず悪魔をやっつけると。
･
けれど、正義は味方さえも殺してしまったんだ。
ひょっこり顔を出した味方に仲間だと気づかず、殺してしまった。
･
相葉が死んだと刑事に知らされた次の日、学校の用事で帰るのが少し遅くなってしまったんだ。
なんで早く帰らなかったんだろうと後から死ぬほど後悔したのを覚えてる。
『え･･････？』
俺たちの部屋のドアを明けた瞬間、待っていたのは悟の笑顔ではなかった。
悟が首を吊っていた。
訳が分からなくて、頭が混乱して、涙すらも出なかった。
気付いたら施設の園長に手を掴まれ、病院に行って。
ただ真っ白な顔して眠る悟の手を握ることしかできなかった。
“ 兄ちゃん、ごめん ”
手を握っているときに、確かに聞こえた声。
命の有無を知らせる機械はとっくに０になっていた。
しかし聞こえた声は本物で。
･･･今思えば、俺のチカラはこの時についたんだと思う。
･
俺が悟の死をしっかり理解したのは一ヶ月後の事だった。
その時園長先生が、一枚の手紙を渡してきたんだ。
『本当はもっと早く渡したかったんだけど･･･翔くん疲れていたから。
あの日、悟君の机の引き出しに入っていたのよ』
本当に心配そうにしてくれる園長先生にも、それどころじゃなかった。
まともに返事もしないまま自分の部屋に籠って、震える手で手紙を読んだ。
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ひまわり(プロフ) - ちー♪さん» ありがとうございます（＾Ｏ＾） 本当ですか？！それは本当に嬉しいです；＿； これからも頑張ります！！ (2015年1月3日 19時) (
レス) id: c2fc12ef7b (このIDを非表示/違反報告)
ちー♪(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後には思わず泣いてしまいました・・・これからも応援しています♪ (2015年1月2日 21時) (レス) id: 5698e14306 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ひまりさん» ありがとうございます、ダラダラと続いたお話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます；＿； がんばります！！！ (2015年1月2日 20時) (レス) id: c2fc12ef7b (このIDを非表示/違反報告)
ひまり - こんにちは。完結おめでとうございます。とても素敵なお話で、毎回更新楽しみにしてました。新作楽しみに待ってます。これからも応援してます( ´∀｀) (2015年1月2日 13時) (レス) id: 5be1096a86 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 碧李さん» 有難うございます！！！そう言っていただけると、頑張った甲斐があります^_^ 次も宜しくお願いします！本当にありがとうございました（＾Ｏ＾） (2015年1月1日 13時) (レス) id: c2fc12ef7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまわり
| 作成日時：2014年7月23日 22時
