傷 -satoshi- ページ12
・
細く、小さなその背中を包み込む。
冷たい体は小刻みに震えて、そして泣く。
なんとか体温を分けてやりたくて、涙を止めてやりたくて。
回した腕に力を込めてみるけれど、何も変わらないままだった。
o「ひとりにしないでよ……」
零れた声は、俺の本音だったのかな。
いつでも一歩前を歩いて、いつでも何かを背負って。そして儚く笑う。
知ってる？
俺も君と、同罪なんだよ。
s「さとし、くん…？」
俯いていた顔を瞬時に上げる。
俺を確認した彼は、そっと目尻を下げた。
o「翔くん、まだ寝てたほうがいいよ、」
そういって体を倒そうとすると、小さな手に制された。
そしてそっと俺の手を握って、彼は言う。
s「ごめんね。…さとしくん、」
そして優しく笑った彼は、そっと目を閉じた。
どこか幼い笑顔と、幼い声。
なんだか昔を思い出して、心がきゅっとなる。
翔くんと過ごした時間は、とても長かった。
俺は家族が好きじゃなかったから。
いつも優しい家族に囲まれてた翔くんが本当に羨ましかったんだよ。
そしてその翔くんの笑顔も、大好きだった。
翔くんの家で遊んで、弟くんも一緒に、鬼ごっことかしてさ。
懐かしいね。
そんな楽しい思い出を忘れてたなんて、俺は悪い人だね。ごめんね？
でも君が教えてくれたんだよ。
自分が消したと。
君はそう泣いて謝ったけど、君は結局俺を守ってくれたんでしょ？
忘れてしまいたいような過去を、俺から消してくれたんでしょう？
a『俺、約束が欲しい。』
ー約束？
a『そう。
誰もいなくならない、っていう約束。』
ー俺たちはいなくなったりなんかしないよ？
s『本当？』
あれ、この時は翔くん、いなかったんだよ？
ー本当だよ。
s『良かった。』
これは、いつの記憶だ？
s『智くんがいなかったら、俺生きていけないからさ。』
なんで翔くん、笑ってんの？
・
n「…のさん、お、…おおのさん！！！！」
はっとして目が覚める。
焦った様な顔でニノが俺の肩を揺さぶった。
n「ごめん、勝手に入るのはどうかと思ったんだけど…貴方いつまで立っても降りてこないから……」
申し訳なさそうに俯くニノに謝って時計を見ると、もうとっくに朝が過ぎていた。
いつの間に、急いで体を起こそうとするけれど、彼の手が俺の手を握っていて。
眠る彼を横目に、今だに冷たいその手を握った。
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ひまわり(プロフ) - ちー♪さん» ありがとうございます（＾Ｏ＾） 本当ですか？！それは本当に嬉しいです；＿； これからも頑張ります！！ (2015年1月3日 19時) (
レス) id: c2fc12ef7b (このIDを非表示/違反報告)
ちー♪(プロフ) - 完結おめでとうございます！最後には思わず泣いてしまいました・・・これからも応援しています♪ (2015年1月2日 21時) (レス) id: 5698e14306 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - ひまりさん» ありがとうございます、ダラダラと続いたお話を最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます；＿； がんばります！！！ (2015年1月2日 20時) (レス) id: c2fc12ef7b (このIDを非表示/違反報告)
ひまり - こんにちは。完結おめでとうございます。とても素敵なお話で、毎回更新楽しみにしてました。新作楽しみに待ってます。これからも応援してます( ´∀｀) (2015年1月2日 13時) (レス) id: 5be1096a86 (このIDを非表示/違反報告)
ひまわり(プロフ) - 碧李さん» 有難うございます！！！そう言っていただけると、頑張った甲斐があります^_^ 次も宜しくお願いします！本当にありがとうございました（＾Ｏ＾） (2015年1月1日 13時) (レス) id: c2fc12ef7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひまわり
| 作成日時：2014年7月23日 22時
