夢見た世界 3【名探偵コナン】

罠？ ページ18

それから5日ほどが経った頃




11月も下旬を迎え、気温はすっかり冬。




まだ12月になっていないというのにこの寒さなら1月2月はどうなってしまうのかと考えるだけで嫌気がさす







私は頼まれていた情報を無事収集し、今日はそれを受け渡す日だ





この世界の''私''はやはり能力が高い。





情報収集自体は2日でいけた






でも、橋田さんへの報告や今後のことの話し合いなども兼ねていれば5日も経っていた








気が重いが、足取りを無理やり軽くしてジンに指定された場所へと向かう






正直、今でも罠なんじゃないかと思っている







この後私は殺されるんじゃないだろうか。






必要な情報だけ手に入れてさっさと始末されるかもしれない






ジンの情報も知ってはいるけど、私が死ねば情報が流れるなんて真っ赤な嘘。はったりだ。







これがバレれば即終了。






ジンの情報は正直原作で知らなかった事だったので本当に驚いたけど、使わない手はないと思った。







それが彼にとってどれだけ不都合な情報なのかは分からない。






ただ、ただあまりにも上手く行きすぎている気がしてならない







組織ってこんなに簡単に入れるものなのか？








しかも1度入ったら最後。生きたまま逃げられることは絶対にないだろう。







本当は怖くて仕方がない。





それでもそんな気持ちを顔に出さないよう私は常に機械的な笑顔を浮かべている










「来たわよ、ジン」







「情報は揃ったんだろうな？」








彼はタバコをふかし足を組んで座ったままこちらを見ている







「もちろん！バッチリよ、プラスαのことまで入ってるわ」






USBを投げれば彼は左手でキャッチし、それをウォッカに渡す






ウォッカがパソコンにUSBを差し込み情報を確認する





「こ、これは…！」






「どうした」





「アニキ、これを…」





「…」





しばらくの沈黙。





間違ってない。大丈夫だ。





それにこの情報は人の命は関係ないもの。





だから誰も死んだりしない。大丈夫。







「情報屋Xだったか」




「あぁ、そんなこと言ったわね。まぁ、そう呼んでくれたら答えるわ」




「お前、ただモンじゃねぇな？」





「あら、お褒めに預かり光栄ですわ」






笑顔は常に。




喋りながらも、話を聞きながらも、何をしてても常に笑顔。








私は思う。






最高のポーカーフェイスは真顔ではなく笑顔なのだと。

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