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「うん…かなりね。それも命の保証はないような」
約2ヶ月前に警察学校を卒業したばかりの人間が、もう既に危険と隣り合わせの任務をしている
でもそれは、貴方も同じ。
「…研二も、私も変わらないよ。危険な仕事してるの」
7日のことを思い出したのか、初めて彼は私から目を逸らした
「ちゃんと防護服は着ること。危ないと思ったら貴方もすぐ逃げること。」
「…うん、」
「陣平や周りの人に報告すること。1人で全部やろうとしないこと。」
「うん」
「…ちゃんと、生きて帰ってくること」
「…!」
「約束して」
「分かった。約束する」
今度は逸らさなかった彼の目をじっと見つめて、私は笑いかける
「それなら許してあげる」
「やっぱ怒ってた?」
「当たり前!死ぬとこだったんだよ!?」
「Aちゃん、泣いてくれたんだよね。…ありがとう俺のために」
「な、に言って…」
「あの日、夜にまた会った時、ちょっと目が腫れてたからさ。それに泣きそうになった俺を見て泣いてたし」
研二にはバレちゃう、か。
「Aちゃんは命の恩人だな!今更だけど、あの日のお礼、させてくれない?」
「いいよそんなの。生きてるってことだけで充分お礼になってるよ」
「全く…そういうとこ変わんないねえ…」
よく分からないけど、お礼させてと引かないのでありがたく受け取ることにした
外を容易に出歩くことは出来なくなってしまったので、またこうして家で会ってほしいと。
「でも本当に無理しないでいいよ、研二も忙しくなるだろうし」
「まぁね!それに、…これじゃ、お礼どころか俺へのご褒美になっちゃうしね」
「ん?」
「っ、何でもない!Aちゃん、今日は会えて良かった
よ」
「私もだよ。…買い物ごめんね、後回しにさせて」
「何言ってんの!Aちゃん優先」
「あはは、ありがとう」
「それじゃ…連絡するから」
「うん、返信できなくても見てるからね。時々返すようにする」
「待ってる! あ、それと…」
これからは容赦なくアピールしてくから、覚悟しててね
なんて言いながら私の頬へキスを落とし、ドアを閉めて彼は去っていった
「もうすぐ冬なんだけどな…」
この部屋はなんて暑いんだろう
「本当は''会えて嬉しかった''って言いたかったのにな…」
そんな彼の声は私には届かなかった
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茉優花(プロフ) - 彩豊さん» 沢山コメントありがとうございます!読み返してもらえて凄く嬉しいです…!応援、すごく励みになります!これからも楽しんでいただけるよう頑張りますね! (2022年10月27日 23時) (レス) id: da009c02b0 (このIDを非表示/違反報告)
彩豊(プロフ) - こんにちは!萩原くんを助けられてよかったです✨組織潜入はドキドキしました(>人<;)凄く面白くて読み返しています(*≧∀≦*)応援してます☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ (2022年10月14日 11時) (レス) @page50 id: 72022c3b56 (このIDを非表示/違反報告)
茉優花(プロフ) - さくらさん» コメントありがとうございます!嬉しいです…!そのお言葉がとても励みになっております!!これからもよろしくお願いします!( ¨̮ ) (2022年7月21日 20時) (レス) id: da009c02b0 (このIDを非表示/違反報告)
さくら(プロフ) - とっても面白くて何回でも読んじゃいます!今では仕事帰りの楽しみです笑笑 (2022年7月21日 18時) (レス) @page50 id: cf5d2ac92c (このIDを非表示/違反報告)
茉優花(プロフ) - 皇さん» コメントありがとうございます!そんな事を言って頂けてとても嬉しいです…!原作リスペクトの気持ちを込めてなるべく近いように書かせて頂いております!救済してるので所々変わってしまう所はあるかと思いますがこれからも楽しんで頂けたら幸いです!( ¨̮ ) (2022年7月16日 10時) (レス) @page31 id: da009c02b0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:茉優花 | 作成日時:2022年5月30日 4時