新年度 ページ2
☆
「...」
超最悪。
新年度の初日だってのに私は生理の心配。
痛い...
ほら、潤が眉間にシワよせてこっち見てる...
ん゛っ...!!
ああ...ヤバい...
「...下田先生、顔色が良くなさそうですが
大丈夫ですか?」
隣に立っている櫻井先生が聞いてきた。
私は「はい」と言うと
櫻井先生は「無理しないで下さい」と。
でも、痛さには誰にも勝てない。
「...い!!...んせい!!」
「...ま!!...ま!!」
誰かが何か言ってる...
：
「んっ...」
重い瞼を開けるとクリーム色が見えた。
そこは保健室だった。
「よう、A」
声がした方をみると潤が居た。
「...もう5時だから帰るぞ。
校長が起きたら帰宅していいと」
「...ありがと、潤」
「...ああ。それよか、
櫻井どうにかした方が良いよ」
潤が指した方を見ると櫻井先生が、
首が痛くなるような体勢で眠っていた。
「...俺、教室から荷物持って来るから
玄関で待ってる」
「...うん」
潤が保健室を址にすると私は起き上がり、
子宮の当たりをさすった。
「あんまり痛くない...」
不思議に思った私は、とにかく
櫻井先生を起こすことにした。
「...櫻井先生、起きて下さい」
「...ん〜...」
櫻井先生に顔を近付けると櫻井先生の寝息で
櫻井先生の少し長い前髪が揺れた。
「...睫毛長い」
よく見たら、櫻井先生って
イケメンな顔してる...
「...Aの、えっち」
ドキッとした私は、その声の主を睨んだ。
「何で学校いんの」
「ニノ迎えに来たら、MJと会ってさ...
そうしたら、Aが倒れたって言うからさ...」
「雅紀に心配されるほどヤワじゃないから!!」
雅紀と口論しているのに夢中で
櫻井先生が、端から起きていただなんて
私は知らなかった。
：
「...ん〜...潤の料理は美味いよ」
「...」
「...潤?食べないの??」
「なぁ、A...」
「ん?」
「...倒れたAを誰が運んだか知ってるか?」
「...潤でしょ?」
私がそう言うと眉間にシワを寄せた。
「だって潤の香水のニオイがしたけど??」
「...そう」
潤が無愛想なのは昔からだ。
「...?」
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作者名：ありす | 作成日時：2021年11月27日 11時
