38【嘘で塗り固められた想い。】 ページ8
あの後、不動には「今日は帰れ」と言って帰宅させた。あんな状態で部活など出来るはずもない。
練習が終わった俺はAのもとに駆け寄った。
『暁...お疲れ様。』
『あぁ、帰るか。』
『うん。』
それから無言になりしばらく歩き続けた。
『A、聞いたよ。』
そう声を掛けると俯いていたAが顔を上げる。
『不動、記憶戻ったらしいな。良かっ...!!?』
『いやっ!!!!』
言葉を遮られ抱きつかれる。
『A?』
『やだやだやだっ...
.
.
.
私は暁の傍にいる!!不動君のとこには戻らないって決めたの!!』
『A...』
『やだよっ!!』
『頼むから...』
『私のコト好きって言ったのに?それとももう嫌いになった?傍に居ちゃダメ?』
そんな狡いこと言うなよ。嫌いになる訳ないじゃないか。決心が揺らぐだろ...
『A、頼むから...』
『今すぐにでも暁のモノになりたいよ...私じゃダメなの?』
『ダメだ。俺じゃダメなんだよ。素直になれ...嘘はつくな。
.
.
.
不動が好きだろう?』
屈んで目線をあわせるとポロポロ涙を流すA。
『言いたいこと全部言って?俺のことは気にするな。全部受け止めるよ。』
『好き...不動君が好き...』
『うん。』
『でも、日向さんもお友達として好きだから傷ついてほしくないっ...』
『うん。』
『暁も好き...好きなの...どうしたらいいかわからないよ...』
『うん。...じゃぁさ、Aは好きな人が幸せなら幸せ?』
『うん。皆とまた仲良くしたい...皆で幸せになりたい。』
『じゃ、決まりだな。不動の幸せはAが戻ってきてくれること。日向の幸せはAが不動のもとに戻ること。俺の幸せはAが前みたいに笑ってくれること。』
『っ...』
『さ、行くだろ不動のとこ。』
『...うん。ふぇ、ひっく...』
『はは、泣くなよ。』
涙を拭ってやって手を繋ぐ。
『アイツの家着くまでだけでいいから...繋がせて?』
『うん。』
本当は俺の隣に居てほしいよ...
この手を離せばこの思いも吹っ切ろう。
俺はやっぱりキミを傷付けられないよ...
そして俺は嘘をついた。
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ゆう - ふわぁぁ!!!彼氏さんかっこいい!!三次元にいたらいいのに!!! 必ず戻ってきますので!!!! (2014年7月13日 7時) (レス) id: 1a40ecbf2d (このIDを非表示/違反報告)
柴狼。(プロフ) - ゆうさん» 寂しくなります(;_;)待ってますね(>_<)いつも応援励みになっております!! (2014年7月12日 8時) (携帯から) (レス) id: b7b24f5636 (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 私、もうすぐケータイ止められちゃうんですよ!だから来月には戻ると思うので頑張ってください!! (2014年7月12日 8時) (レス) id: 1a40ecbf2d (このIDを非表示/違反報告)
ゆう - 柴狼。さん» いえいえ!!!蓮野くんサブキャラなのですか!! (2014年7月11日 0時) (レス) id: 1a40ecbf2d (このIDを非表示/違反報告)
柴狼。(プロフ) - ゆうさん» 毎回コメントありがとうございます(^^*)
最近自作なのはずなのにキャラがイケメンにみえたりするんですよね←←
特にサブキャラが...← (2014年7月9日 17時) (携帯から) (レス) id: b7b24f5636 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柴狼。 | 作成日時:2014年6月29日 16時