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人物設定は省略させていただきます。
​───────


『終わらない終わらない助けて』

「後一寸だろ?頑張れよ」

『そうだけど…』

「終わったら甘味処にでも行くか?」

『よぉし、やるぞ』


任務の報告書その他諸々報告書をパソコンで打ってはコピー、打ってはコピーを繰り返している。
正直、そろそろ飽きた。でも甘いものが待っているならやるしかない!頑張らないと。





『終わった…』

「お疲れさん。一寸待ってろ、俺はこれ終わらせなきゃなんねぇ」

『判った。頑張って』


終わる迄何をしようかと考えて、ふと本棚が目に入る。そういえば読んだことないな…。
少し背伸びをして適当な本をとる。表紙を一枚めくる。何やら難しい内容だった。ただ、重力という単語が多く出てきていた。屹度中也の私物だろう。
見たところ娯楽小説の類は無さそうだったので、この本を戻してソファに座って待つことにした。


「待たせたな」

『早っ!?』

「そうか?…ほら、行くぞ」

『はぁい』


付き合っていることは既に色んな人に回っているらしい。最早隠す理由も無いので、恋人繋ぎで歩いていった。
……それでも私は少しだけ恥ずかしいけど。





『んー、おいひい』

「嗚呼。なかなかだな」


甘味処で私はクリィムぜんざいを、中也は普通のぜんざいを食べている。
これが物凄く美味しい。それに、久しぶりに食べた気がする。もはやお菓子を食べたことすら覚えてない。


『ごちそうさまでした』

「ごちそうさま」





「ンじゃ、俺は拠点に戻って仕事する。気をつけろよ」

『うん!』


お店から出た後、中也は任務のため拠点に戻ることになった。中也が執務室に居ないのなら仕事の無い私は居る必要が無い。そう考えて、ふらふらと散歩でもすることにした。

特に行きたい所は無かったので、無難に赤レンガ倉庫へ向かう事に。
横浜に住んでいても、仕事をしていても、中々こうやって歩き回る事は無い。滅多に無い機会、中也と一緒に行きたかったけど、それはまた今度。


『〜♪』


歌を口ずさみながら歩き、ほんの少しの路地に入ったその時。


『っ!?』


突然強く腕を引かれた。咄嗟に反応出来ず、そのまま腕を引かれて目隠しをされ、口元に布を当てられた。​
───────やってしまった。
これじゃあポートマフィアが舐められてしまう。どうにか、しな、け……。

意識が薄れ、そのまま気を失った。

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作者名:九ノ瀬 杏璃栖(ここのせ ありす) | 作成日時:2018年11月12日 20時

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