【鬼滅の刃】大正☆ツンラブ★ストーリー 【嘴平伊之助】【時透無一郎】

拾陸ノ恋 【手当】 ページ17

美緒が微笑みながら救急箱を持ってきてくれた




美緒「巻くね」




丁寧な手付きで包帯を取り出す美緒




伊之助「おい、美愛」




美緒 姫花「…？」




私と美緒は同時に伊之助を見た




伊之助の綺麗な翡翠色の瞳が、ジッと美緒を見つめている




美緒「どしたの？」




美緒が問うと、伊之助は拳を握って話し始めた




伊之助「俺がやる…」




美緒「えっ？」




伊之助「姫菜を怪我させたのは俺だ！だから俺がやる！」




その場に居た全員が驚いた




伊之助が"仲間"を大切にしている事は皆知っているけど




その"仲間"に入れる事が限りなく嬉しい…




美緒「フフ…分かった」




そう言って微笑みながら美緒が立つ




美緒だけじゃなくて炭治郎やカナヲ、善逸も微笑んでる…




『あっ…』




気付いたら私の前には伊之助がしゃがんでいて、右手に包帯、左手に私の足を持っている




伊之助「痛かったら叫べ…」




『うん…分かった』




でもその心配は無かった




痛みは全くなく、ただ着々と包帯が巻かれる




少し歪かもしれないけど、私は何より嬉しかった




手や足が震えないように、伊之助に伝わらないように必死に隠した




きっと…美緒達にはバレているんだろうけど…




私の目はずっと伊之助を捉えていた




さらさらで艶のある綺麗な髪、先に行くほど青く染まってる黒髪




白い肌に長い睫毛、整った顔立ちは本当綺麗




でも私は伊之助の顔に惚れたわけじゃない、伊之助自身に惚れた




幼い頃と何処か似ていて、何処か変わった…そんな伊之助に…




惚れ込んでしまった




キュ…




伊之助「ほら、終わったぞ」




『…！あ、ありがとう』




美緒「大丈夫？歩けそう？」




『ちょっと休めば平気、ごめんね心配かけちゃって』




本当に大切…伊之助も美緒達も…




いつだって「大丈夫だよ」と微笑んでくれる




今だってそう




神に誓うね、命に変えてでも皆を守ると




むしろ…誓わせて下さい




ーーーーー
あれから一夜が明けた




足は違和感が少し残ってるけど、歩行に支障は無くなった




今は台所で朝ごはんの準備をしてる




食料も調理器具も十分に揃ってる




全部お館様が用意して下さったのかな？




もしそうなら、そうでなくても、この訓練で力をつけてもっと強くならなきゃ…！




美緒「おはよう〜」




後ろから聞こえてきた声に笑顔で応える




『おはよう、美緒！』

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