【stpr】Dark Strawberry Land

＊４１話＊【1人じゃない】 ページ42

ジェルは小さく頷いた




『良く知らないけど、案内人の5人とは仲良しなんじゃないの？』




ジェル「仲良しやで…」




『なら、ジェルは1人じゃないよ…心が1人になるのはね、全く周りに人が居なくなって初めてなるの』




ジェル「…！」




ジェルは私の握っていた手をゆっくり離して立ち上がった




ジェル「ありがとうA…！俺全然1人やないし、寂しくなんて無かった…巻き込もうとしてごめんな」




『ううん、良かったよ…！』




私が笑うと、ジェルもふわっと笑った




ジェル「でもAは可愛いからな、寂しいとか関係なく一緒に居たいな？」ツンツン




『あっ…ちょっと…！』




ニコニコと私の頬をつついて逃げるジェルを追いかける




私たちはそのままジェットコースターを後にした




ーーーーー
『次は〜…ゴーカート』




ジェル「は〜い」




園内マップを見ていると、まだ半分も回っていない事に気付く




次のゴーカートの案内人はどんな人なんだろう…




『ねぇジェル、ゴーカートの案内人ってどんな人？』




ふとジェルに聞いてみる




ジェル「えぇ？えっと…なんやろな…」




ジェルは腕を組みながら歩いて唸る




ジェル「う〜ん、やめた！」




『えっ？』




ジェル「会ったら『(あぁ、こういう奴か…)』ってなるから、俺からは何も言わんでおくわ」




『えぇ〜！逆に気になるよ…!!』




結局次の案内人の事を話してくれなかったジェルは、「気になっとき〜！」っと言って少し早足で歩いていった




私も慌ててジェルの後ろを追いかける




まぁいっか、どうせ数分後に会えるんだし




私たちはかけっこのように走ってゴーカートへと向かった




ーーーーー
ジェル「ほら！着いたで！」




『はぁ…はぁ…はぁ…ほんとだ…着いた…』




ゴーカートに着いて私はバテバテ




あんなに走らなければ良かった…




『案内ありがとうね…ここからは、1人で行くから…』




呼吸を落ち着けながらジェルの方を見た




けど、ジェルは俯いていて顔が見えなかった




『ジェル…？』




ギュ




『…!!?』




私が声をかけた瞬間ジェルがバッ！と抱きついてきた




ジェル「ホンマにありがとうな、俺…今度はちゃんとAが帰れることを望んでるから…頑張ってな？」




首元に埋まるジェルからの言葉がくすぐったい




でも…




『嬉しい…ありがとう、ジェル』




私もギュッとジェルを抱きしめてゆっくりと離れた

＊４２話＊【ゴーカート】→←＊４０話＊【1人】

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