【stpr】Dark Strawberry Land

＊３３話＊【解放】 ページ35

それにここからじゃジェルが何してるのかが見えない、お願いだから助けて…




ゴゴゴッ…




『…！』




涙が零れそうになった瞬間、トロッコがまた音をたて始めた




最初に動いた時と同じ音…って事はもしかして！




う、動く！良かった！この状況から解放される！！！




ジェルありがとう…やっぱりジェルは案内人で一番優s…




ゴゴゴッ…!!




『えっ…』




前言撤回…ジェル…




ふざけんな…




『きゃぁぁぁぁぁ!!!』




動き出したトロッコは前ではなく、後ろに勢いよく進んで行った




後ろが見えない状態で高速落下していく恐怖がどれだけなものなのか分かりますか？




私はよく分かりました




ガタガタッ…




やっとスピード落ちて、出発地点に戻ってきた




『………』




ジェル「おかえり、いやぁ〜大変やったな？」




吐き気を抑えながらただ正面を見つめて息をする私に、ジェルはまた呑気に言った




『動かしたの…』




ジェル「えぇ？」




『ジェルが…動かしたの…？』




ゆっくりジェルに視線を合わせる




ジェル「ううんちゃうで？俺が動かしたんとちゃう、トロッコが動くのはあるあるやで？」




いやっ…！




私は遂に苛立ちが絶頂に達して、勢いよくベルトを外してジェルの前に立った




『「あるあるやで？」じゃないでしょ!?ジェルの管理してるジェットコースターでしょ!?それならお客さんの安全を最大限に考えなきゃ駄目じゃん!!私はちゃんとジェルから許可を貰って乗ったのにさ!!あっ、でも私最初は『乗らない』って言ってたっけ…えっじゃあ自業自得？でも鍵あるか調べるために乗っただけで、アトラクションとして楽しみたかった訳じゃ…』




ジェル「アハハハハッ!!!」




『…！』




私が延々と喋り続けそうなのを、ジェルの笑い声が止めた




ジェル「ハァ〜…やっぱりAって可愛ええ…！」




そう涙を指で拭いながら言うジェル、笑いすぎじゃない？そんな面白いこと言ってないのに




ポンッ




『…！』




ナデナデ




ジェル「ごめんな？」




『…!!!』




ジェルはまた私の頭を撫でた




私はそれ以上ジェルを責めるのを辞めた




『いやあの…私こそごめん…ジェルが動かしたんじゃないのに、私の安全不注意だった』




ジェル「ううん、俺も言ってなかったわ…たまに幽霊の子供がな、トロッコのスイッチを押すんや」




『そうだったんだ』




やっぱりジェルのせいじゃ無かったんだね

＊３４話＊【優しい人】→←＊３２話＊【不慮の事故】

• 金　運: ★☆☆☆☆
• 恋愛運: ★★★☆☆
• 健康運: ★★★★★
• 全体運: ★★★☆☆

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