谷地さんの姉、彼氏いるってよ。story2【黒尾鉄朗】

拝啓、あの時の私へ。 ページ11

拝啓、あの時の私へ。








目の前に立ちはだかる、高い高い闇。




その闇の向こうは、とても暖かいです。




夏の暑さとは違い、真冬に猫を抱いた時の暖かさです。




一人逃げている私には、決して触れることの出来ない温度。




でも、不可能では、ないのだから。




誰かと一緒なら、必ず触れることのできる温度だから。









もしあなたが道に迷っても、あなたが助けを求めれば、必ず誰かが助けてくれる。


一人で生きて生くなんて、不可能だから。


まだ誰しも、小さな迷子の子猫なのだから。


よく、顔を上げて。前を向いて、下を向かずに歩いてください。








きっとあなた一人ではない。



どこかに人はいるはずだから。



迷わず助けを求めてください。




迷惑かけてなんぼです。



そのぶん助ければいいんです。









悲しい事を笑わないで。



一人で生きられない自分を隠さないで。



急いで大人にならないで。









いいんだよ。



泣きたい時は、泣いていいんだよ。









自分が弱い事は、誰かに助けてもらう勇気を持ってください。



だから、どうか必死にあがいて、もがいて。



そして、死にもの狂いで息をして。








生きることを諦めないでください。









私は今、生きています。



高い闇の壁にぶち当たったらその時は、無理して登ったり、飛び越えたりしないでください。



地道に、階段を作りましょう？



誰かと一緒に。



向こう側の光を目指して。









ゆっくりでいいよ。



私は待ってます。




あなたがそれに気づくことを。









私は今、幸せです。



あなたは、間違ってないよ。




私は、君が大好きです。









谷地Aより。

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