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番外編 ページ48

あの後、私は何時もよりじっくり時間をかけてAを可愛がった。
焦らされていたぶん、我慢がきかなかったのだよ。
メイド服も良かったけれど、浴衣も中々いいものだねえ。今度は……十五夜の時とか、姫始め、とかいいかもしれない。
姐さんに頼んで本格的に着飾らせるのも……。いや、そうすると脱がせにくいな。やっぱり浴衣くらいが……。

「……んぅ……ごしゅじんさま……」

ああいけない。考え事をしていてAの存在をすっかり忘れていた。
Aはそんな私に忘れないでと云うように眠った儘私の袖をきゅっと握っている。

「うふふ……いい子だねえ。どんな夢を見ているのかなあ……」

忘れていないよ、と云う代わりにそっと頭を撫でて、口付けを落としてやった。
Aは満足そうに笑って私に擦り付いてくる。可愛いねえ。

「……ご主人さま?」
「おや、起きてしまった?」

何度も頭を撫でていたのでAが起きてしまった。
もう少しAの寝顔を見ていたかったなあ……。

「……もっと」
「うん?」
「もっと、なでなでして下さい……」

まだ寝ぼけているらしくゆったりとした口調のA。
唖然として動けないでいると、Aは不満だったらしく自分から頭を擦り付けてきた。

「A、どうしたの?」
「ふふ……ご主人さま、すき……」

突然の告白に私のただでさえ寝起きの頭はついていかない。
昨日Aに散々愛の告白をさせた私だけれど、その反動で今日はもうそんな事云ってくれないかと思っていた。
実際、そう云う事の方が多かったし。

「……A? 寝ぼけているのかい?」
「むう、……ご主人さまは、すきって云ってくれないの?」
「……A? 本当に、」
「意地悪しちゃいやあ。云ってよ、ね、Aの事、すき?」
「……すきだよA。だから目を覚ましなさい」
「Aも……すきぃ……」

それだけ云うとAは寝てしまった。
可愛らしかったけれど心臓に悪い。普段恥ずかしがり屋のAが寝ぼけてあんな大胆になるなんて……。
少しやり過ぎたのだろうか。

「……まあ、ゆっくり休み給え」

Aに布団をかけて寝台を離れた。




「あの……おはようございます、ご主人さま」
「ああ、おはようA。随分眠っていたねえ」
「済みません……。一度起きた気はするのですが……」
「可愛かったものねえA」
「へ?」

後で太宰さんから全てを聞いて赤面するA。当然仕事には遅れた。

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滓跂(プロフ) - 知りもせずに余計なことを言ってしまい、大変御迷惑を掛けました。御免なさいm(_ _)m (2017年8月12日 9時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - 滓跂さん» 小説の説明にも書きましたが、検索避けです。コメントありがとうございました。 (2017年8月12日 8時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
滓跂(プロフ) - あの、大宰さんじゃなくて太宰さんじゃないんですか? (2017年8月12日 7時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
さらん(プロフ) - 私も主人公の過去編お願いします! (2017年7月30日 17時) (レス) id: 2cee163366 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 主人公の過去編お願いしますm(_ _)m (2017年7月26日 18時) (レス) id: 2eda603fc6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:徒長 | 作成日時:2017年7月8日 20時

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