首輪が三十二 ページ36
「……お願いします。ご主人さま、中原さまが応援に来て頂けるようです」
「えー、中也ぁ?芥川君は?」
「芥川さまは生憎別の任務で……」
「そういえばそうだったね。広津さんは?」
「どれだけ嫌なんですか……。新興組織と交渉中です」
Aに呆れた顔をされたが、嫌なものは嫌だ。
確かに私達だけで殲滅させるのは大変だけれど。
「まあ仕方ないか。じゃあこの辺の雑魚どもは中也に任せて私達はボスのところへ行こう」
「はい、あんまり交戦すると弾がなくなってしまいますしね」
そう云ってAは死んだ男の手から銃を奪った。
「まだ弾は……ありますね。ご主人さま、此方をお使い下さい」
「うん、ありがとう。そういえば此れオートみたいだけど大丈夫?」
「大丈夫です。本音を云えばリボルバーの方が有り難かったのですが……」
Aの普段使っている銃はリボルバー。
比較的頑丈で女性の手でも扱いやすい、ただし連射は難しいのが難点だ。
「しかし雑魚に銃を二丁も支給? 随分と羽振りがいいんだね」
「少数組織のようで……。ただ、ボスが異能力者であるという話があります」
「厄介だね。まあ、構わないけれど。じゃあ、中也が来る前に急ごうか?」
「はい、ご主人さま」
順従に頷き私の後を付いてくるA。
しかしそんな私達を止める者があった。
「ま、待て! お前ら何者だ⁉」
他の男は放心しているかヤバい奴らだと判断して黙っているか、何にしろ空気の読めた奴だったのに此の男は……。
勿論此の男とはあのサトちゃん野郎だ。
「ご主人さま、……」
「いいよ、放って置いて。でも君、恋人が心配なのか知らないけど気を付けた方がいいよ。私のペットは短気だからねえ」
軽く殺気を見せると男は黙った。
「さ、行こうか?」
「はい、ご主人さま」
どうせ後から来た中也に殺されることになると思うけどね、目撃者だし。
まあ何にせよ私には興味のないことだ。
Aを連れて部屋を出た。
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滓跂(プロフ) - 知りもせずに余計なことを言ってしまい、大変御迷惑を掛けました。御免なさいm(_ _)m (2017年8月12日 9時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - 滓跂さん» 小説の説明にも書きましたが、検索避けです。コメントありがとうございました。 (2017年8月12日 8時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
滓跂(プロフ) - あの、大宰さんじゃなくて太宰さんじゃないんですか? (2017年8月12日 7時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
さらん(プロフ) - 私も主人公の過去編お願いします! (2017年7月30日 17時) (レス) id: 2cee163366 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 主人公の過去編お願いしますm(_ _)m (2017年7月26日 18時) (レス) id: 2eda603fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:徒長 | 作成日時:2017年7月8日 20時