首輪が二十四 ページ28
「ほらA、恥ずかしがってないで行くよ」
「で、でもご主人さま！ さすがにサイズがーー」
反論しかけたAの口を私の口で塞ぐ。
驚きつつもすぐに受け入れてくれるのは私の躾の賜物だ。
「ーー今日は治さん、でしょ？」
「あうう……そうでした……。お、治さん、流石にスカートが短過ぎます……」
「そう？ 其れくらい普通だと思うけれど。寧ろ普段のAが長いんだよ」
「そうなのですか？」
「そうだよ。さ、急いで行こう。遅れてしまうよ」
「は、はい！」
私はAの手を引いて車に乗り込んだ。
今日はAとの久しぶりのデート……ではなく任務である。
この近くで一般人をさらってバラしたりヤク漬けにしている組織に報復をしに行く。
別にバラしたりヤク漬けにする事は問題では無い。問題はポートマフィアと関係の深い会社の社長令嬢と其のボディーガードに手を出してしまった事だ。
お陰でこうして今、私達が駆り出されている。表沙汰にしたく無いのと相手の頭がいい事から、今日の任務は二人きり。
そして其の内容は……。
「ようこそ我が社の"ドキドキ！恐怖体験ツアー"へ！」
「予約していた中原なのだけれど」
「中原様ですね！ どうぞ此方へ〜」
カップルの振りをした潜入任務である。
名前は当然中也のを使わせて貰った。太宰、なんて目立つからね。
「はやとくーん、怖いよお」
「はは、怖がりだな。俺が守ってやるよ」
「ねー、やっぱり帰ろうよお。あたしこういうの無理なんだって！」
「いいからいいから。任せとけって」
ツアーというだけあって、いくつかのホラースポットに行くらしい。
バスの中には私達の様なカップルが沢山いる。
「お、治さん……」
「どうしたのA？ あ、もしかして怖い？」
「こういうの、苦手で……」
ぎゅっと私の袖を握るAの頭を撫でてやる。
成る程、Aは幽霊系は苦手なんだね。
「大丈夫だよ。私がいるでしょう？」
「治さん……」
もたれかかってきたAの肩をさすってやると、Aはとても気持ち良さそうに顔を緩めた。
いつの間にか周りのカップル達からの視線がちらちらと此方に向けられている。
Aは可愛らしいから、絵になるんだろうね。まあ他の男に見られているというのは気に入らないけれど。
女のいる男は大丈夫だろうと思ってAに普段は着せないミニスカを着せたけれど、警戒するに越した事はないようだ。
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滓跂(プロフ) - 知りもせずに余計なことを言ってしまい、大変御迷惑を掛けました。御免なさいm(_ _)m (2017年8月12日 9時) (
レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - 滓跂さん» 小説の説明にも書きましたが、検索避けです。コメントありがとうございました。 (2017年8月12日 8時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
滓跂(プロフ) - あの、大宰さんじゃなくて太宰さんじゃないんですか？ (2017年8月12日 7時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
さらん(プロフ) - 私も主人公の過去編お願いします！ (2017年7月30日 17時) (レス) id: 2cee163366 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 主人公の過去編お願いしますm(_ _)m (2017年7月26日 18時) (レス) id: 2eda603fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：徒長 | 作成日時：2017年7月8日 20時
