首輪が13 ページ14
ご主人さまの腕が私の腕を掴み、体を隠していた手をどかされる。
ご主人さまからはよく見えてないとはいえ、恥ずかしい。
「あの、ご主人さま……？」
戸惑う私を他所に、ご主人さまは顎を私の肩に乗せ、首筋を舐め上げた。
「ひゃっ」
「んっ……A……」
何時もより艶っぽい声で名前を呼ばれ、背筋がぞくぞくする。
「うふふ……。Aは首、弱いものねえ……」
「ご、ご主人さま、やめて下さっ、ひゃっ」
ご主人さまの手が服の中に入ってきた。
流石にこれは不味い、とご主人さまの手を抑え、少しだけ後ろを見る。
「ご主人さま、これ以上は……。せめて寝台で……」
「ねえA、私の事、軽蔑しない？」
「と、突然何を……？」
ご主人さまは私を持ち上げ、向かい合わせになるようにお膝に座らせた。
「私、約束しただろう？ A以外の誰とも口付けなんてしないって」
「……はい」
「……破ってしまったのだよ、その約束。標的の女に、口付けを……」
「真逆、其れをお気になされて……？」
私がそう云うとご主人さまは心底驚いた顔をなさった。
「当たり前だろう？ 大切な恋人との約束なのに……。しかもよりにもよって品性のかけらもないあの女と……」
ご主人さまご余りにも憎々しげにおっしゃるので、私は思わず笑ってしまった。
「何笑ってるんだい？ Aは嫌じゃないの？」
「いいえ……でも、其れよりまず、嬉しかったのです。ご主人さまが私を恋人と云ってくれたこと、約束を守ろうとしてくださったこと……。
とても、嬉しくて……」
言葉では伝えられずにご主人さまの唇に私の唇を重ねた。
一瞬、ご主人さまの目が驚きに見開かれる。が、其れは本当に一瞬で、気付けば私はご主人さまに頭を固定され、舌を入れられていた。
「んっ……はっ……」
「うふふ、かわいいねA。
そういえばAは中也と食事に行ったんだよね？ その分、お仕置きしなきゃね？」
そう云って微笑まれるご主人さまはもう何時ものご主人さまだった。
「で、でも其れはおあいこで……」
「誰がそんな事云った？ 安心しなよ、好きなだけ可愛がってあげる……」
結局その日、ご主人さまは食事も取らず私をお仕置き……、可愛がることに専念なされたのだった。
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滓跂(プロフ) - 知りもせずに余計なことを言ってしまい、大変御迷惑を掛けました。御免なさいm(_ _)m (2017年8月12日 9時) (
レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - 滓跂さん» 小説の説明にも書きましたが、検索避けです。コメントありがとうございました。 (2017年8月12日 8時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
滓跂(プロフ) - あの、大宰さんじゃなくて太宰さんじゃないんですか？ (2017年8月12日 7時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
さらん(プロフ) - 私も主人公の過去編お願いします！ (2017年7月30日 17時) (レス) id: 2cee163366 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 主人公の過去編お願いしますm(_ _)m (2017年7月26日 18時) (レス) id: 2eda603fc6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：徒長 | 作成日時：2017年7月8日 20時
