検索窓
今日:15 hit、昨日:1 hit、合計:123,436 hit

首輪が12 ページ13

私はご主人さまから送られたメールを見てやきもきしていた。


"明日帰る"


明日、とはつまり今日の事で、部下の方からの連絡によると夕方頃、夕食に間に合うようにお帰りになるらしい。

少し仕事か片付いたのでお電話をかけていたけれど、迷惑だったのだろうか。
だからこんなにも素っ気ない文なのだろうか。
昼間は色任務などしないと思っていたが、他の仕事をなされていたのだろうか。
考えれば考えるほど不安になる。

「此処はご主人さまのお好きなものでご機嫌を直して頂いて……」

そう考えた私は早速蟹を用意した。
勿論お酒も一緒だ。

「此で、屹度……」

機嫌がなおらなかった時が怖いが、此しか思いつかない。
後は寝台を整え、風呂を沸かし、お待ちするだけだ。




約一時間後……


「お帰りなさいませ、ご主人さま」
「……」

ご主人さまがお帰りになられた。
矢張りご主人さまは不機嫌そうで、目も合わせて下さらない。

「本日のお食事は蟹鍋でございます。勿論、お酒も用意しております!」

外套を脱がせ乍ら云うが、ご主人さまは相変わらず不機嫌そうで何も話されない。
ああ、矢張り駄目だっただろうか。

「……先、シャワー浴びてくる」
「あ、はいっ。準備は出来ております」

其れだけ云ってご主人さまはお風呂場に行かれてしまった。

暫くしてお風呂場から聞こえて来た音は随分乱暴な音で、ご主人さまがひどく苛立っていらっしゃるのがわかる。

どうしよう。ご主人さまにご機嫌を直して頂きたい。
いい子だね、と頭を撫ででもらって、その胸に抱き込んでもらって、そして……。

私は少し考えていたが、結局我慢出来ずに脱衣所に飛び込んだ。

「ご主人さま!」
「何……」

既にお風呂場に入られたご主人さまのくぐもった声。私は扉に近づいた。

「御免なさい、私……、しつこくお電話してしまって……。其れに中原さまとお食事に云った事も……。
お許し下さい、お願いです……」

最後は縋るようになって云うが、ご主人さまからの反応はない。

「ご主人さま……?」

もっと怒らせてしまったか、と思ったその時、お風呂場の扉が突然あいて、其処から伸びてきたご主人さまの手に腕を取られた。

「わっ」

気づけば私はご主人さまの胸の中で、身につけていた衣服は蒸気で濡れている。

「ご、ご主人さま?」
「……透けてる」

その言葉に下を向けば白を基調とした私の服は見事に透けている。
……。

「見っ見ないでください!」

思わず叫んで体を隠した。

首輪が13→←首輪が十一



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (62 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
171人がお気に入り
設定タグ:文スト , 共依存 , ヤンデレ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

滓跂(プロフ) - 知りもせずに余計なことを言ってしまい、大変御迷惑を掛けました。御免なさいm(_ _)m (2017年8月12日 9時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
徒長(プロフ) - 滓跂さん» 小説の説明にも書きましたが、検索避けです。コメントありがとうございました。 (2017年8月12日 8時) (レス) id: f4aa93743b (このIDを非表示/違反報告)
滓跂(プロフ) - あの、大宰さんじゃなくて太宰さんじゃないんですか? (2017年8月12日 7時) (レス) id: 33d499f1b1 (このIDを非表示/違反報告)
さらん(プロフ) - 私も主人公の過去編お願いします! (2017年7月30日 17時) (レス) id: 2cee163366 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 主人公の過去編お願いしますm(_ _)m (2017年7月26日 18時) (レス) id: 2eda603fc6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:徒長 | 作成日時:2017年7月8日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。