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私が問うと一瞬で真面目な表情になった。ゆっくりとした動きで口を開く。


「ポートマフィアは君を守らないのかい?」

『今のところは全く』


太宰は私から目を逸らして何処か虚空を見つめる。顎に手を当てて何か考えている。
…太宰の頭の中ってどうなってるのかな。覗いてみたい。


「落ち着くまでAは探偵社にいること。と接触も禁止。いいね」

『わかったよ』

「これはAの為だよ。私はAを守りたいんだ」


微笑んでありがと、と小さくつぶやく。私の為だなんて大袈裟。そんなに価値のある人間ではないから。
そして私は目を伏せた。


『…私は強くない。弱いから、誰かに守ってもらうしかない』

「A?」

『ああいや、なんでもない』


ほとんど無意識に云っていたようだ。頭から消して違うことを考える。
…このごたごたに探偵社って既に参加してるの?今のところポートマフィアと組合の対立としか考えられないけど。


『ねえ太宰』

「なんだい?」

『私、探偵社をこの抗争に引きずり込むよ』

「Aにできるのかい?」


挑発するような太宰の言葉に私はニヤリと笑って答える。自信たっぷりに、魅せるように。


『甘く見ないでよ』

「ふふっ…あはは!」

『な、ちょっと!?』


突然笑い出す。なんだか急に恥ずかしくなってくる。
折角かっこつけたのに!太宰のせいで台無し!柄じゃないことはしないことだな。


「いや、ごめんごめん。中々珍しいAだったから」

『…絶対中也と組ませてやる』

「ほんとにごめん、だからそれはやめて」


厭だね!と云ってそっぽを向いた。これは太宰が悪い。
そんなことを考えながら探偵社を引きずり込む方法を考える。半ば見切り発車。でもどうにか停戦協定を結んで、少しでも共闘に持ち込めればこっちの勝ちだろう。
するとひょこっと私の視界に太宰が入り込む。


「Aの立案、楽しみにしてるよ」

『楽しませられるように努力するよ』

「じゃあまた」


そう云い残して部屋から去っていった。医務室にはぽつんと私一人だけ。
…特務課も引きずり込んじゃう?でもそれはかなりのリスクが伴う。まずは探偵社からだね。

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九ノ瀬 杏璃栖(ここのせ ありす)(プロフ) - 謝花さん» ありがとうございます!そう言って貰えて嬉しいです!!頑張ります!(泣) (2019年4月9日 22時) (レス) id: a597ec67e5 (このIDを非表示/違反報告)
謝花 - 中也さんカッコいい可愛い!更新頑張って下さい! (2019年4月9日 13時) (レス) id: cfb76e4621 (このIDを非表示/違反報告)
九ノ瀬 杏璃栖(ここのせ ありす)(プロフ) - 薙(nagi)さん» ありがとうございます…!!!!初めてコメント頂けてうれしいです(泣)がんばります〜!! (2019年3月11日 16時) (レス) id: 382e747ebe (このIDを非表示/違反報告)
薙(nagi) - 凄く好みです、更新頑張って下さい! (2019年3月10日 19時) (レス) id: 43e3ad1e0e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:九ノ瀬 杏璃栖(ここのせ ありす) | 作成日時:2019年1月4日 18時

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