#3 ラブ・クエスト【ars K.N】END. (ページ39)

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Lv35.始まりの朝ページ39

『＿…い、＿…きろっ』

　ん…んぅ…

『＿…きろって！』

　うー…眠いよぉ…もう少しだけ寝かせ……

｢おい！起きろ！｣
「っ…！！」

　夢の中まで入り込んできたその声に心臓はバクバク。汗はダラダラ。
　一体何事かと、顔を横に向けた。すると…

「いつまで寝てんの。もうすぐ昼だけど」

　いつになくイライラしたご様子の二宮くん。

「あれー…？昨日の感じと違うくない…？」

__＿"A………俺も好きだよ"

　あの超絶甘い二宮くんは一体どこに行ってしまったんだ…。

「くぅ…」
「なに悶えてんだよ。…ほら、とっとと行くぞ」

　珍しく休日にパジャマではなく洋服を着ていた二宮くんは、私の腕をグイっと引っ張り上げた。

「い…行くってどこに？」
「デーーートだよ」
「えぇっ！」
「お前ぇ…まさか昨日のキスで恋愛クリアしたと思ってねぇだろうな…」
「いや！そんなことはっ…」
「はい、クエストいーち」
「ドキドキ…」
「…" 初めての彼氏と初デート楽しみやがれ "」
「が、外出ですか…！？」
「今日は俺の好きなゲームの新作発売日なんだよ」
「なんと！それはめでたい！」
「だから一緒に買いに行って、昼飯でも食べて、あとは家でゆっくり俺の隣でゲーム鑑賞…どう？」
「だっ大賛成ですっ…！」

　彼氏いない歴、イコール、年齢…。

　二次元に全てを捧げたこの人生、リアルな恋の仕方なんて一つも知れないと思っていたけれど…

「じゃあさっそく…"ロードしますか？"」
「はい！ロードします… ！」

　愛と希望に満ち溢れた２人の冒険が、今、ここから始まるんだ＿＿。

- end -