花宮×蓮水―7― ページ41
花宮さんが車を出してくれて、私たちは○×デパートにやって来た
日曜日だけど、そんなに人数はいない
「先に何か食べるか?」
『そうですね!それなら、最上階のレストランに行きましょう!昔家族とよく来てて、そこのオムライスがおいしいんですよ』
「じゃぁそこにするか」
エレベーターに乗り、最上階へと登る
壁は透明になっていて、外の景色が眺められるようになっている
昔はどんどん上に登るのが怖くて、お父さんにしがみついてたっけ
レストランは既にお昼時を過ぎていたせいか、人もまばらだ
私たちはお互いオムライスを頼み、運ばれるのを待つ
『花宮さん、今日はありがとうございます』
「別に、大した事はしてないだろ」
『いえ!またここに来られて、本当に嬉しいんです』
「大袈裟だな……。親とまた来たらいいだけの話しだろ」
『それが、もういないんです。両親』
「は……?」
『半年前、事故で亡くなったんです』
事故の日、両親はここのデパートに行くと言っていた
私も誘われたけど、受験勉強がしたくて、その日は家にいる事を選んだ
雨が強い日だったから、よく覚えている
対向車が雨でスリップしてしまい、運悪くそれに巻き込まれ、そのまま……
「それじゃぁ、あそこに一人で住んでるのか?」
『いえ、親戚のお姉ちゃん……と言っても、叔母にあたるんですけど、その人と住んでます。仕事が忙しいみたいで、ほとんど帰って来ないんですけど』
「……つらくないか?」
『つらいなんて、そんな!お父さんとお母さんが亡くなって、私を誰が引き取るかって話になって……やっぱり、中学生の子をいきなり引き取るなんて、難しいじゃないですか。だから、なかなか決まらなかった時に、お姉ちゃんが名乗り出てくれたんです』
両親が突然亡くなった絶望
嫌でも聞こえるひそひそ声
上辺だけの同情
もう耐えられない。そう思った時、お姉ちゃんだけが私を抱き締めてくれた
『私はそれに救われました。それで、私が霧崎第一に通うって言ったら、その近くのマンションに引っ越してくれて……本当に優しくて、いい人なんです!』
「そうか……。よかったな」
『でも、今日ここへもう一度来られたのは、花宮さんのおかげです!だから、本当にありがとうございます!』
「だから、俺は何もしてないだろ……」
いいえ。花宮さんと一緒だから、私はもう一度ここに来る事ができたんですよ
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みかん(プロフ) - 五月雨雫さん» わぁぁコメントありがとうございます(´;ω;`)!!!完結後にも感想をいただき本当に嬉しいです(泣)おかげさまで私も作ってよかったと思えました!!またどこかでお会いできることを楽しみにしています(*‘∀‘) (2020年5月11日 9時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
五月雨雫(プロフ) - 全話読ませてもらいました!!凄く好みの感動系でなんと言ったら良いか…!作品、物凄く好きです。読者一意見として作ってくださってありがとうございます!! (2020年5月10日 8時) (レス) id: 603d70d68d (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - さくみさん» ご丁寧に返信までいただきありがとうございます(泣)感謝感激です(´;ω;`)これからも誰かに感動してもらえるような作品を作れるように励もうと思います!こちらこそありがとうございました(泣) (2019年11月20日 11時) (レス) id: 7906a9a948 (このIDを非表示/違反報告)
さくみ(プロフ) - こちらこそ本当に素敵な作品をありがとうございました。最後のお話で本当に感動で泣けました泣ありがとうございました!!! (2019年11月19日 23時) (レス) id: 7862236ae4 (このIDを非表示/違反報告)
みかん(プロフ) - さくみさん» あああぁぁああぁ(嬉し過ぎて語彙力が著しく低下しました)笑。コメントありがとうございます!!まさか、自分の作品で感動していただける日が来るとは……その事実に私も感動しました(泣)作ってよかったと思えました!!本当にありがとうございます!! (2019年11月19日 22時) (レス) id: 60ab1a28d9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:みかん | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/alice99101/
作成日時:2019年10月1日 17時