堕天使は夢を見る ページ26
♠
「初めまして、君の名前は？」
「私の名前は＿＿＿」
堕天使とは、神に反逆し
罰せられて天界を追放された天使のことだ
ある日リーマスが禁じられた森で出会ったのは
緑色のネクタイをした、1人の少女だった
.
「毎日つまらないな。」
その日リーマスはいつもの様に
こっそりとベッドを抜け出し
禁じられた森にやって来ていた
「暇なの？」
其の理由は、
真っ黒な艶のある髪と
病的に白い肌を持つこの少女に会う為
「僕は同じことを繰り返すだけの
毎日に疲れたんだ。」
「変なの」
「そういう君も変だ。」
ケラケラと笑う彼女の素性はよく知らない
けれど一つだけ分かるのは
彼女もまた自分と同じホグワーツの生徒で
所属寮はスリザリン
けれど彼女の身に付けているローブはボロボロで
「僕、君を校内で見かけたことがないんだけど
ちゃんと授業に出ているの？」
「一応ね」
勘の鋭いリーマスは
彼女が虐められているのだと直ぐに分かった
グリフィンドールの自分に威圧的な態度をとらず
それどころか友好的に話してくれる彼女
きっと、そういう所がスリザリンの奴らを
イラつかせてしまうのだろう
「ていうか、貴方もなの？」
彼女は自分の顔にかかる長い前髪を退けると
その顔に残る傷跡を指さした
まだ新しい、出来たばかりであろうその傷
「いや、僕は＿＿＿」
''貴方もいじめられているの？''
彼女はそう聞いたのだ
けれど、その問いにリーマスは首を振った
この顔の傷はいじめられてできたものでは無い
自分で自分を傷付けた時にできた傷だ
「そっか、違うんだ 」
良かった。と彼女は微笑んだ
長い前髪のせいでその表情は良く分からない
彼女の唇の動きだけが
その表情を読み取る唯一の指標だった
「ねえ、A、前髪切らないの？」
リーマスのその言葉にAは黙り込んだ
そしてくるりとリーマスに背を向けると
ゆっくりと口を開く
「バケモノ、なんだって」
「え？」
「昔好きだった人に言われたの
お前の目はバケモノだ
気持ち悪いって、」
Aは随分と寂しそうにそう言った
リーマスは何も言わずに話に耳を傾ける
「それにね、私ここに入学してから暫くは
ちゃんと友達もいたんだよ」
だけど、とAは突然服を脱ぎ始めた
それに気付いたリーマスは慌てて
その後ろ姿から目を逸らす
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 113人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
usagi(プロフ) - 十和子さん» 十和子様、初コメありがとうございます。切ないお話よりも甘いお話の方が需要があると思っていたので、何度も読んでおられると聞いて書いてよかったなと嬉しく思っております。連載の方にも目を通して頂けているようで；；これからも作者共々よろしくお願いします＊ (2020年5月10日 23時) (
レス) id: ea4cc15c20 (このIDを非表示/違反報告)
十和子(プロフ) - 初コメ失礼します！！usagiさんの小説すごく面白く、いつも楽しみに読ませていただいています！！連載ももちろん好きなのですが、短編の勿忘草をあなたにが特に好きで何度も読んでいます！！トンクスが絡むと切ないお話になって本当大好きです！これからも応援してます (2020年5月10日 22時) (レス) id: 178ca6d29c (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 木下さん» コメント有難う御座います。ご期待に添えるよう頑張ります＊ (2020年1月22日 12時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
木下 - 初コメ失礼します！続編とても嬉しいです！楽しみにしています！頑張ってください！ (2020年1月21日 22時) (レス) id: 2d49427796 (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 名無しさん» 此方と致しましては、指摘された内容に関しては注意事項に記載しており、こんな展開があればいいな、といった気持ちで書いておりましたのでそれにより不快な思いをされている方がいる事は考えていませんでした。貴重な御意見有難う御座います。 (2020年1月19日 20時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：usagi | 作成日時：2020年1月9日 19時
