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彼女が去ってしまった砂浜で
ルーピンはただ打寄せる
波の音に耳を傾けていた
彼女は嘘をついている
そんなことは分かっていた
けれど、彼女から
別れを告げられることは予想外で
「…パトローナス？」
海面を駆けて来たのは、
私と同じ銀白色で半透明の狼
まさか＿＿＿＿
そっと手を伸ばせば、
その狼は目の前でピタリと動きを止めた
'' 愛してる ''
彼女のそんな声が聞こえた気がして
思わず立ち上がり辺りを見回す
けれど彼女の姿はどこにもなくて、
残っているのは向こうに続く足跡と
彼女が残していったピアスとネックレス
諦めるつもりは無かった
迷惑だと言われても
頼んでないと言われても
初めから彼女の傍に居るつもりで
ふと、何かが跳ねるような大きな音がして
慌ててその視線を海へとやった
そこで見たのは月明かりに照らされ
キラキラと輝くプラチナブロンドの髪
「.......A？」
そういえば、とルーピンは
湖で人魚になった彼女の姿を思い出していた
彼女の瞳はいつもの黒みがかったブラウンで
燃えるような赤色の瞳ではなくて、
吸い寄せられるように
海へと足を踏み入れていると
プラチナブロンドの髪が目の前で揺れた
「待ってくれ、」
思わず手を伸ばすが
彼女の髪は手をすり抜けていってしまう
「…A、」
やっと振り向いた彼女と
その頬を伝う1粒の涙
「聞いてくれ、やっぱり私は
君から離れたくない
君を1人にしたくないんだ。」
彼女は何も言わず
その細長い指をルーピンの唇に当てた
もう、何も言うな
まるでそんな風に
そんな彼女に何も言えないでいると
彼女はそっとその腕を首に回した
急に近付く二人の距離、
見慣れているはずの
彼女の上裸から思わず目を逸らす
「A、お願いだ、君を愛しているんだ。」
Aは何も言わず
そんなルーピンにキスをした
その目から伝う雫が海へと落ちていく
次に彼女の目を見た時、
その瞳は燃えるような赤色に変化していて
意識をまるごと飲み込まれるような
そんな感覚が全身を包んでいく
ごめんなさい、と
そんな彼女の声が聞こえた気がした
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usagi(プロフ) - 弐七さん» 有難う御座います、凄く嬉しいです。是非、最後まで楽しんでいただければと思います：) (2019年12月8日 12時) (
レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
弐七(プロフ) - あーーー！！！もう！！このシリーズ読んで何回泣いたんでしょうか…。もう、もう、言葉が出ないほど甘くて、切なくて、二度ほど読むのを止めたくらいです（笑）。でも本当に心がぐっと掴まれる作品だと思います。最終章楽しみです。もう待ちきれません。 (2019年12月6日 22時) (レス) id: c70bc84ad6 (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - エマさん» 有難う御座います、次の更新は12月の中旬になってしまいますが実習を無事に終えて必ず戻ってきますので！二人の結末を最後まで見届けて頂けると嬉しいです：) (2019年12月1日 15時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 梨音さん» コメント有難う御座います、2人の結末がどうなるのか、一緒にしっかりと見届けましょう！ (2019年12月1日 15時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - no nonさん» いつも有難う御座います！二人がどんな結末を迎えるのか、最後まで見届けて頂けると嬉しいです：) (2019年12月1日 15時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usagi | 作成日時：2019年11月26日 22時
