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「残念だけど、
Aを君に渡すつもりはないよ。」
ルーピンは真っ直ぐな、
射抜くような視線をシリウスに向ける
「Aは私の全て、なんだ。」
「君の今の弱点はA、って訳か。」
シリウスはグラスを傾け唇を歪めた
ルーピンはいつものくたびれた笑みを浮かべると
再びAに視線を落とす
「可愛いくて堪らないんだ、
表情も、仕草も、何もかも＿＿
こんなに人を愛おしく思ったのは初めてだよ。」
「Aが聞いたら喜ぶだろうな。
君が思っている以上に、
Aは君の事が好きだからね。」
「それは＿＿どうかな。」
「何弱気になってんだ？
まさかスネイプ相手に
弱気になってるんじゃないだろうな？」
ルーピンは困ったように眉を下げて笑った
図星か、とシリウスは頭を抱える
「最近、気付いたんだ
スネイプはAの事が、好きだと思う
ああ＿＿本人に自覚はないけどね。」
「リーマス、彼奴の事は気にするな
彼女は彼奴の事など眼中にもないだろう？」
「Aはスネイプの助手だ、
奴が手を出さないとは限らない。」
ルーピンはAに抱き込まれた
腕を少しだけ動かした
すると、Aの細長い指が
自分の指に絡まってくる
「ほら、
Aには君だけだ、リーマス。」
「分かっているんだ、でも私が人狼だから＿＿」
「リーマス、それはもう言わない約束だろ？」
「そうだね、でもふとした時に思ってしまうんだ。
私が普通の人間だったら、もっと傍に居られるのに
寂しい思いをさせないのに、ってね。」
ルーピンは絡めた指に力を込め
その指で、Aの細長い指を撫でた
自分が居ない時の彼女は
一体どんな風に過ごしているのだろう
この部屋で、何をしているのだろう
「そろそろ、私は部屋に戻るよ。
邪魔して悪かった。」
「自覚は＿＿あるみたいだね。」
ルーピンの言葉にシリウスは笑った
それにつられるようにルーピンも笑う
扉に手をかけたシリウスは
ふと、何かを思い出したように振り向いた
「なあリーマス、さっき自分が
普通の人間だったらって言っただろう？
もしも、
自分の恋人が普通の人間じゃなかったら
君はどうするんだ？今まで通り愛し続ける？
それとも＿＿＿その事実から目を背ける？」
「そりゃあ、愛し続けるに決まってるよ
普通であろうとなかろうと、恋人は恋人だからね。」
シリウスはその言葉に頷くと
ひらひらと手を振り
扉を開けて部屋から出て行ったのだった
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usagi(プロフ) - ひよりさん» ここまで御付き合い頂き有難う御座います、次章更新まで暫くお待ち下さい：) (2019年11月17日 22時) (
レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - たくさんの更新嬉しいです(^ ^)甘々も最高でしたが次章からも楽しみです！ (2019年11月17日 20時) (レス) id: fc06e52f97 (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - no nonさん» 嬉しいです、有難う御座います！今後も御付き合い頂けると幸いです：) (2019年11月17日 10時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
no non(プロフ) - このお話を最近から読み始めたのですが…ホントに面白いです。今までの伏線からどのような展開になっていくのか…気になって気になって仕方ないです。更新楽しみにしてます(*´`*) (2019年11月17日 8時) (レス) id: de80b1f653 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usagi | 作成日時：2019年11月16日 0時
