4 ページ4
「すまない。」
ルーピンはAの
目尻に唇を落とすなり
今にもこぼれ落ちそうだった
涙をそっと吸い取った
「許さないんだから！
リーマスのばか、大馬鹿、…っ」
泣き出すAを宥めるように
ルーピンはその華奢な身体を抱き寄せた
そんな彼の背中をAはぽかぽかと殴る
「寂しい思いをさせちゃったね。」
「せっかくの年越しなのに、」
「今からでもまだ間に合うよ。」
「嘘だ、」
「ほんと。」
ルーピンはAの身体を離すと
ポケットから懐中時計を取り出し
ゆらゆらと揺らした
時計の針が指すのは23時00分
「あと、1時間だ。
＿＿＿おいで。」
ルーピンは懐中時計をしまうと
両手を広げ、いつものくたびれた笑みを浮かべた
Aは迷わずその腕に飛び込む
「.......リーマスの馬鹿」
「好きだよ、A。」
彼はそう言うと私の身体をぎゅっと抱きしめた
その身体に染み付いた甘い香りに、
チョコレートの香りに、
先程までの腹ただしさが嘘のように吸収されていく
彼からのハグでなんでも許してしまうのだから
全く私もちょろい女である
「ちゅーして、」
「仰せの通りに。」
ルーピンはふいと顔を逸らしたAに
クスッと笑うとその頬に手を添えた
大きくて、温かい彼の手
「こっちを向いては頂けませんか、お嬢様。」
突然変わった彼の口調が、
こちらを真っ直ぐに見捉える碧の瞳が、
彼の後ろから降り注ぐ月明かりが、
その全てがAの鼓動を早くするには十分で
Aは恥ずかしそうに頬を染めると
ルーピンを真っ直ぐ見つめ返す
「執事のくせに、偉そうね」
精一杯すまして言えば、
ルーピンはにっこりと笑い
Aの唇に優しいキスを落とした
「.......可愛い。このまま食べちゃいたいくらいだ。」
「だめ、もうちょっとで年越しなんだから」
Aは恥ずかしそうにルーピンから
目を逸らすと床へ足を下ろした
「じゃあ、向こうの部屋に戻ろうか。
何か＿＿飲む？」
「紅茶、とびっきり甘いやつ」
先を歩くルーピンの袖を掴めば
振り向いた彼はAの身体を軽々と抱きかかえる
「ちょっと！重いからやだ！」
「君に寂しい思いをさせてしまったお詫びだよ。」
そんなセリフと共に額にキスを落とされ
Aは何も言えなくなってしまった
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 82人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
usagi(プロフ) - ひよりさん» ここまで御付き合い頂き有難う御座います、次章更新まで暫くお待ち下さい：) (2019年11月17日 22時) (
レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
ひより(プロフ) - たくさんの更新嬉しいです(^ ^)甘々も最高でしたが次章からも楽しみです！ (2019年11月17日 20時) (レス) id: fc06e52f97 (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - no nonさん» 嬉しいです、有難う御座います！今後も御付き合い頂けると幸いです：) (2019年11月17日 10時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
no non(プロフ) - このお話を最近から読み始めたのですが…ホントに面白いです。今までの伏線からどのような展開になっていくのか…気になって気になって仕方ないです。更新楽しみにしてます(*´`*) (2019年11月17日 8時) (レス) id: de80b1f653 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：usagi | 作成日時：2019年11月16日 0時
