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──3月
その日、私はルーピンの部屋で
シリウスと共にお茶会をしていた
「最近君の顔をよく
この部屋で見かけるな。」
ルーピンのカップに紅茶を注ぐAを見ながら
シリウスはぽつりと零した
その言葉に2人は同時に顔を上げる
「たまたまじゃない？」
そう言って微笑むAを
随分と愛おしそうに眺めているルーピン
シリウスはルーピンが彼女に向けている
その感情がなんなのか、
ルーピンよりも先に気付いていた
彼は生徒だから、と言っていたが
そうではないと思う
きっとルーピンは＿＿＿
「はい、シリウスあなたの紅茶」
差し出されたカップに口を付ければ
香ったのは甘酸っぱい檸檬の匂い
シリウスは紅茶を啜りながら
ルーピンと談笑するAを眺めていた
ふと、二人の距離が以前よりも近いことに気付く
暫くこの学校を留守にしていた間に
どうやら随分と仲良くなったようだ
女経験が豊富なシリウスは
それが何を意味するのか、もう分かっていた
「それで、リーマス？どこまで進んだんだ？」
分かりやすく噎せるルーピンと
首を傾げるA
その反応を見る限り
どうやら最後まではいってないらしい
ルーピンは半殺し状態で我慢していたのだろう
可哀想に、とシリウスは目を細めた
「一体何の話だシリウス、私には見当もつかない」
白々しい、とシリウスは鼻で笑うと
チョコレートを食べるAに目を向けた
東洋人特有の幼く見える顔に
自分と同じ豊かな黒髪
特別美人な訳ではないのに
その一つ一つに何故か惹かれてしまう。
「シリウス、今まで何してたの？」
「ああ、全世界の女を巡って旅を。」
「.......その冗談全く笑えない」
不快そうに顔を顰めた彼女が面白くて
もっともっといじめてやりたいと
イタズラ好きの血が騒いだが
彼女の隣に座るルーピンが
やめとけ、と目で制してきたので
大人しく黙ることにした
「そういえば、そのイヤリングどうしたんだ？」
窓から吹いた風に揺れた髪の隙間から
耳にぶら下がるイヤリングが見えたのだ
「貰ったの、クリスマスプレゼントに」
「誰から貰ったんだい？」
'' スネイプ先生 ''
彼女の口から出たその言葉に
シリウスは思わず顔を歪めた
ルーピンはただでさえ青白い顔を
さらに青白くしている
いつの間にそんな仲になっていたのだろうか
ルーピンとの仲は快く応援できるが
相手があの男となると話は別だ。
シリウスは2人の姿を想像し体を震わせると
その想像をかき消す様に一気に紅茶を飲み干した
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しょこら(プロフ) - はじめまして！素敵な作品すぎてコメントさせていただきます！本当にこの作品大好きで何回も読ませてもらってます！ちなみに今から4回目行ってきます！笑どのキャラの心境も繊細に書かれていて見る度惹き込まれます…これからもusagiさんの作品楽しみにしています！ (2022年1月24日 23時) (
レス) id: a91831a4da (このIDを非表示/違反報告)
usagi(プロフ) - 拙さん» そう言っていただけて、嬉しいです！これからも御付き合い頂けると嬉しいです:) (2019年12月8日 17時) (レス) id: 569eb0a44e (このIDを非表示/違反報告)
拙 - こういうの凄く好きです。色々な人の心情が分かって面白いです。ルーピンもスネイプも大好きなので本当にありがとうございますｍ(｡≧Д≦｡)ｍ (2019年12月8日 15時) (レス) id: c3f8edfab8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：usagi | 作成日時：2019年10月26日 14時
