有名イラストレーターは俺の嫁。【urt】

1話 ページ2

うらた「…………A」

『わっくん。おはよ、朝ご飯できてるよ。食べる？』

うらた「んー。食べる」

朝起きて、おはツイして、リビングに行けば笑顔で迎えてくれる嫁とテーブルに置かれている出来上がったばかりだと思われる朝ご飯。できた嫁だぜ全く。

『おいし？』

テーブルに頬杖をついてニコニコしながら聞いてくる嫁、Aは今日も可愛い。

うらた「ん。美味い」

『そっか。それなら良かった』

付き合ったときに比べると、とてつもなく大人びていて、色気も増した。高校時代は小鳥遊と高橋、だから出席番号も前後になってたし、何よりも驚いたのは3年間ずっと同じクラスだったこと。

『今日は予定ある？』

うらた「昼過ぎに坂田とまーしぃが来る」

『昼過ぎなら二人のぶんは作らなくていっか』

うらた「いや、念のために作っといて。あいつらAの飯好きだし」

そう言うと、少し困ったように笑った。
そして思い出したようにテーブルの隅っこの方に置いていた葉書に手を伸ばして、

『そうだ、同窓会のお知らせ来てたよ』

うらた「面倒だから行かない」

『はいはい、私も欠席で出しとくね』

うらた「行きたければ行けばいいのに」

『わっくんが行くなら、の話だよ』

何をするにも俺の意見を優先して、尊重してくれる。たまには我が儘も言って欲しいところだけど。

『あ、大事なの忘れてた！』

慌ててひきだしを漁り、緑色のシュシュを取り出して髪を結ぶA。
…………………うん、今日も俺の嫁が可愛くて尊い。

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