にじゅうとあまりみひら ページ23
ｰ
｢あ゛っっチーノあいつ手ぇ握りやがった！！｣
｢ええ全然見えないっすよ…｣
｢お前視力悪い癖にようわかんな…｣
｢眼鏡をかけた僕に見えないものはありません｣
｢見えないものを見ようとして〜♪｣
｢ええ声で歌い出すなや…｣
地団駄を踏んで騒いでる大先生、その両隣で引いた目をしてるのはコネシマと外資系。
某ほうき星を探す歌をいい声で歌い出すトン氏にはロボロがツッコんだ。お前もいい声やろが。
空き教室の窓から裏庭にいる二人を全員でじとーっと見下ろす。
これだけの視線によく気づかんなあいつら…いや、チーノは多分気づいてるな、見せつけか。
なんて考えてると隣にいる男の顔がぐっと曇ったことに気づいた。
｢なに難しい顔しとんのやエーミール｣
｢いや、いつもだったらトントンさんが歌い出した時にシャオロンさんが被せてくるのになあ…なんて思っちゃいまして…｣
あはは、と乾いた笑いを零すエーミール。
二人の会話を聞いていた他のメンバーも口を噤み辺りはしんと静まり返った。
『トォントン！？』
『いやそうとは限らんで！！』
『あっはっはっは！！！』
『そのネタ擦りすぎじゃない…？ゾムはツボりすぎ』
『Aちゃん、これきっとしばらく続くめう』
『ク〇アおばさんの〜シチューのひっみっつ！』
『それはブイヨン♪』
『おい誰だシャオロンとコネシマを家庭科室に入れたヤツ！！』
『誰かAさん呼んできてー！！！』
『ちょっとそこの不器用二人！！何やってるの！？』
『あれ、A何やってるの？』
『らんらん、ロボロも』
『あ！なんか美味そうなもん持っとるやん！』
『部活組に差し入れしようかなって、二人も食べる？』
『おいお前ら俺より先に食うなよ！？』
『シャオロン地獄耳では？？』
『AちゃんAちゃんAちゃん』
『AさんAさんAさん』
『AさんAさんAさん』
『待って軍団なに怖い怖いシャオロン盾よろしく』
『ざっけんな臭いの移るやろ！！』
各々の脳裏に二人との会話が思い起こされる。シャオロンが昼を共にしなくなったのはつい最近のことなのになぜだかしばらく会っていないような気にさえなってしまった。
あるはずの声が響かないことがこんなにも胸を寂しくさせるのかとグルッペンは腕を組みながら思案する。
｢…どうしたもんか｣
｢めう｣
｢…みんなでピクニックでもする？｣
その場にいた全員がひとらんらんに振り返り目を輝かせた瞬間だった。
続く
お気に入り登録で更新チェックしよう!
最終更新日から一ヶ月以上経過しています
作品の状態報告にご協力下さい
更新停止している| 完結している
←にじゅうとあまりふたひら
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 51人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
すず(プロフ) - 更新待っています！夢主さんもチーノも頑張って欲しい！ (2022年12月14日 23時) (
レス) @page23 id: aa81562ec0 (このIDを非表示/違反報告)
涼風(プロフ) - ちびごん1さん» ちびごん1さんコメントありがとうございます…！のろっのろ更新ですが気長にお待ちいただけると嬉しいです( ; ; ) (2020年11月4日 23時) (レス) id: 97d9ef33fd (このIDを非表示/違反報告)
ちびごん1 - 更新待ってます！夢主ちゃんがんばえ！！ (2020年10月8日 17時) (レス) id: 4fdb0260c0 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：涼風 | 作成日時：2018年6月1日 22時
