10年愛〜＊sho.hirano＊〜

#29 ページ29

紫耀が居なくなった部屋で動けないまま空が明るくなりだした



床に横たわったままの体は背中が痛くて涙が乾いた顔は皮膚が突っ張る



こんなんでも会社に行かなければ…



悲しい会社員の性で起き上がりヨロける体をなんとかバスルームへ引っ張りシャワーを浴びて部屋に帰るとそのままベットの上に倒れ込んだ




支度して会社行かなきゃ…



頭では分かってるのに体が動かない



何もしたくなくてそのまま目を閉じた



強く握られた手首が今だにじんじんと痛んで紫耀のあの苦しそうな顔が浮かんでくる




終わった。全部終わった。



自分で終わらせた癖に寂しくて苦しくて涙が止まらない



もう全部どうでもいい…



私は初めて会社を無断欠勤した



目を開ければ思い出されるの紫耀の事でその度に悲しくなってもう枯れると思うほど泣いたのにまだ涙が出るのかと自分でも思うほどだ




泣き疲れて眠り起きる度に夢だったらよかったのにと現実を思い知る




何時間そうしていたのか分からないけど外はすっかり暗くなり1日が終わった事だけはわかった




さすがに夜になるとこんな時でもお腹は空く


丸一日何も食べてないのだから当たり前か



このまま死んじゃえればいいのに、、



我ながら落ちるとこまで落ちた気持ちの悪い女だと思う



冷蔵庫を開けるとバナナとヨーグルト位しかない



とりあえずお腹を満たしてテレビを付けて横になる



男に捨てられたくらいでこんなにダメになる自分が嫌で嫌で仕方ないのに浮上の仕方がわからない




怖くて電源が入れられない役ただずのケータイには会社から連絡が来てるかもしれない




仮病で無断欠勤なんて、、、そう思うけど明日も会社に行ける気がしない




面白くもなんともないテレビを深夜まで眺めていたらいつの間にか眠っていて



目覚めたらもう昼過ぎ



またもや無断欠勤してしまった、、




どんどん自分がダメになって行く



こんなにも私の中心は紫耀だったのかと失くしてからその大きさに気づくくらいならちゃんと当たって砕ければ良かった



ズルズルとこんな関係続けるならちゃんとフラれて前に進めば良かった


何を後悔したって後の祭り


外が暗くなりお腹は空くけど何も無いし買いに出たくもない


今日もバナナとヨーグルトか、、と冷蔵庫へしゃがむと



ピンポーン ピンポーン



玄関のチャイムが鳴った



紫耀！？な、訳ないし誰かと関わるのも面倒くさくて無視していると

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