10年愛〜＊sho.hirano＊〜

#13 ページ13

『悪かったわね。何も成長してなくて…』



「そういう意味じゃないっつーの！本当鈍いとこも変わんねえのな」




『え？え？、、どうゆう意味？』



「教えねーよ(笑)」




結局、社内のフロアーに辿り着いてしまい教えては貰えなかった




企画課の自席に座ると





「先輩！せんぱ〜い！」




『あ、マリちゃんおはよう。』



後輩のマリちゃんが駆け足でやって来て



「おはようございます！って何ですか！朝のあれ！！」


『ん？なに？』



「昨日営業部に来たあの人と一緒に出社してたじゃないですか〜！！」



『あぁー。岸はただの同期だよ。たまたま電車が一緒だったから来ただけだし。』




「えぇ〜！ただの同期って感じの雰囲気じゃ無かったですよぉ〜。」




『そう〜？まぁ同期の中でも気が合う奴だったからね。』



「じゃあ付き合ってるとかじゃないんですね！！」



念を押すようにマリちゃんが確認してくる



『まっさか〜！ナイナイナイ！』



「そうなんですね〜。良かったぁ〜」



『なに？マリちゃん岸のこと気になってるの？』



「はい〜。人当たりいいし仕事出来そうなのに笑顔が可愛くてもろストライクです！」




『え？マリちゃん藤ヶ谷主任狙いじゃなかった？？』




「え…、いや、そうなんですけどぉ…藤ヶ谷主任はもう美しさが神々し過ぎて隣に並ぶなんて恐れ多いですぅ。」




そう、、営業部の藤ヶ谷主任はここの営業所の女子社員いや、なんなら全女子社員憧れのお方で眉目秀麗、20代で主任になるというデキル男ぶり、、



若手の頃からそのルックスはただならぬ物だったらしいが本人はそんな事を全く鼻にかけず男女問わず憧れ惚れられる都市伝説のような人なのだ



『まぁ確かにあの人にアプローチ出来る命知らずはいないよね…』



「私ならイケるかなぁ…って思ったんですが色んな意味で怖いから諦めました〜」



さすがマリちゃん…フランス人だかドイツ人だかの血が4分の1混ざってるらしくお顔立ちはお人形さんのようで

クリクリのお目目にぷっくりした唇、小さい顔と小柄な体に似合わぬ豊満なお体で男子社員からの人気は高い。


ただ一言喋ればわかってしまう中身に難が有り…


私からしたら愛すべき後輩なのだが中々に意中の相手とは上手くいかないようだ



「そう言えば先輩聞きましたかぁ？今度うちと営業部が合同で企画開発するらしいですよぉ」



『え？そうなの？知らない』

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