#12 ページ12
翌朝、
いつもの時間のいつもの電車に乗ろうと扉が開くと岸が居た
「なっ、んで…」
わかったのかと聞きたいところだかすぐに満員の電車内に押し込められて会話することもままならない
流されるまま奥へ持って行かれる体をグイッと引っ張られた先には岸がいて扉の横の座席の間へと押し込められた
必然的に背後は壁しかなくて目の前には岸しか居なくて…
「おはよう」って片腕を壁について顔のすぐ横まで屈んで小声で挨拶をしてくる
図らずとも壁ドン状態と言うことになる…
『お、、おはよう。』
言いたいことは山ほどあるけど今は何にも話せる状態じゃないからとりあえず黙って岸を見上げていた
やっぱり3年前とは違う。
まだヤンチャさが残る18だったあの頃とは、顔つきも体つきもすっかり変わり大人の男になっていた
一丁前に香水の匂いなんかさせちゃって…
スーツからでも体の厚みがわかり、、これは女子社員がほっとかないだろうなぁ〜なんて考えていたら
岸の顔が険しくなってきた眉間に皺を寄せて何かに耐えているよう
『どうしたの?』
小声で問えば
「お前、見すぎだから。こんな近くでそんなガン見されたら誰でも困んだろ…。」
『あ、ごめん。つい、、』
えへへっと笑えばムギュッと鼻を摘まれた
『ふがっ、』
思わず漏れた声を聞いて肩を揺らして声を殺し笑っている、、、
やっぱり訂正。コイツは何も変わってません。
やっと会社の最寄り駅に着きゾロゾロとホームへ降りる人並みに乗り歩き出した
『ねぇ!何であの車両にいるってわかったの?』
「昨日、送った時に階段上がってすぐの車両があれだろうってわかったから。Aズボラだからどうせ階段上がってすぐの車両乗ってるに決まってっからな(笑)」
当たりすぎてて言い返せない自分が悔しい…
『ご最もです…』
「あはは(笑)素直でよろしい!」
改札を抜けて会社へ向かい歩いていたら
「で、なんなの?何で見てたの?」
『いや〜岸も大人になったなぁ〜と、、』
「お前バカにしてんの?」
『いやいや!本当にそう思ってたんだよ。やっぱ3年は大きいなぁ〜って。』
岸は自分の希望と違う部署へいっても腐ることなく努力したからこの早さで念願の営業部へ移動することが出来たんだろう
『岸、頑張ったんだね。』
「まぁーな。俺は逆にAが何も変わってなくて良かったけどな。」
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Alice(プロフ) - ひかるさん» お返事遅れました(>人<;)一気読みありがとうございます(≧∇≦)このお話は私の夢と理想が全部注ぎ込んであるので(笑)可哀想なくらい良い奴の岸くんとエロ紫耀君の狭間という幸せすぎる展開を楽しんで頂けて良かったです( *´艸`) (2018年10月20日 0時) (レス) id: 6abfb3b6fc (このIDを非表示/違反報告)
ひかる - 最初の切ないはじまりから幸せな結末まで面白くて一気読しちゃいました。岸くんいいひと過ぎて笑 紫耀くんのふわふわした雰囲気はそのままのエロキャラとかたまらんです、あれは流されちゃうなぁ/// (2018年9月28日 20時) (携帯から) (レス) id: 075c6f1d28 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - えりさん» ありがとうございます(≧∇≦)そうなんです…岸くんがいい奴過ぎて好きにならずにいられないのに甘えん坊紫耀くんには勝てませんね〜( *´艸`)良かったら続編もありますので合わせて読んでみてください! (2018年9月26日 17時) (レス) id: 6abfb3b6fc (このIDを非表示/違反報告)
えり(プロフ) - 一気に読ませていただきました!めっちゃ、面白かったです^_^岸くんに心を持っていかれそうになりましたが…やっぱり最後は小悪魔可愛い子犬の紫耀君にがっつり掴まれました^_^ (2018年9月20日 21時) (レス) id: faf246fb32 (このIDを非表示/違反報告)
Alice(プロフ) - 絢葉さん» コメントありがとうございます☆そうなんですよ〜続編は作ってなかったんですよね〜( ̄▽ ̄;)自分の中ではハッピーエンド気分だったのですが続編を希望して下さる貴重な方がいて下さるので考えてみようかと思っております!(≧∇≦) (2018年8月3日 23時) (レス) id: f9db7a188c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Alice | 作成日時:2018年7月20日 17時