GUILTY 〜それでも愛してる〜＊岸優太＊

罪＊5 ページ5

駅前の通りまで走りタクシーを掴まえた




運転手さんはおじさんだったから、やっぱり岸くんに借りといて正解だった…





自宅マンションに着き部屋に入ると濡れた服を全て洗濯機へ入れてシャワーを浴びた





頭からシャワーを浴びて思い出す…





抱きとめてくれた彼の腕の感触、体温。





我ながらあんな若い男の子に声をかけるなんて…





自分でも引くよ(笑)





向こうだってこんな年上の女に話しかけられて気を使ってくれたのかも




岸くん優しそうだったしな…




『はぁ…』





恥ずかしそうに笑う彼の顔がずっと脳裏に焼き付いて





(私、欲求不満なのかな…(笑))






雨で冷えきった体を温めてバスルームから出るとスマホが光って鳴っている





ちょうど着信が来ているところだった






『もしもし…？うん。今ね、帰ってきたの。そう、ゲリラ豪雨に合っちゃって〜』





紛れもない私の夫から






『えー！！今週末には帰るって言ってたじゃない…、うん。仕事なのはわかるけど…、、またそうやって誤魔化す(怒)わかった…待ってます。じゃね、、、』





海外出張が多い夫は1年の半分も日本にはいない





わかってて結婚したけどこんな生活ももう3年






帰ってきた時は嬉しくて一緒にいると楽しくていつまでも恋人同士みたいに新鮮でいられるけど





それは私が求めてる夫婦の形じゃない…





そろそろちゃんと落ち着きたいのに…





今度こそこれからの事を話し合おうと思ってたのに1ヶ月も帰ってこないなんて…






溜息をついて見つめる先には幸せそうな2人がおさまるフォトフレーム





あの頃はただ一緒に居られれば幸せだったのに…





(ちゃんと捕まえててよ…)

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