始末屋と女の子***∞ 2

水音だけで伝えて ページ30

『アーセナル、ここで待ってて?』




一応、着替えは手探りで選んできて

浴室の手前で退去命令。

身体に巻くタオルだけ渡して、一旦廊下に出た。




『…先入ってるから、入ってきてね?』




扉越しに声を聞いて、

さっさと服を脱いで浴室に入る。

まあ、一応タオル巻いたけど。




浴室の端っこに寄りかかるアリスが顔を上げた。

こいつ、…痩せたな。

元々細かったけど、今はもう筋が見えてて。

余計に浮き出た鎖骨が目を惹く。




『アリス、ここ立って。

頭洗うから、お湯かけんで。』




身体に巻いたバスタオルを握りしめたままのアリス。

恥ずかしいのか、顔は俯いてる。




男しか居らんと、シャワーしか使わんから

洗ってる最中も立ちっぱなしってちょっと困る。

せやけど小柄な俺より更に小さなアリスの頭は

洗うのにはちょうどええ高さ。




『アリス、…流すで?』




『ん?…あ、ありがと。気持ちよかった。』




少し熱めのお湯で、泡を流しきって。

…アリスも、久しぶりならちゃんと浸かっといた方がええか。

沸かしといた風呂に、そっと手をひいて浸からせた。




『あ、あったかい…。』




顔を綻ばせたアリス。

その安心しきった表情に、愛おしさを感じた。

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