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25話。 ページ31

財布はよし、スマホもよし、と確認しながら駅で電車を待つ。


夕日が地平線の彼方へ沈み、電車が来た。

いつも行く方とは正反対の方向に行くから少し新鮮だ。



行こうと思っている所は、結構有名な海岸。

キャンプ禁止なので夜は誰も居ないし、空想を繰り広げるのには絶好の場所だ。


…まぁ、少し遠いけど。


調べたところ、電車で結構田舎の方に向かってから、さらに15分位は歩かなきゃいけない。

電車に乗ってる時間も結構長いんだよね。

窓から後ろの方へ通りすぎる景色は、まだまだ都会なネオンカラーだった。


電車が停まる。

そして目の前のドアが開いて乗客ほとんどが出ていき、ポツンと私一人だけになってしまった。



それから少しして、やっと例の駅に着いた。


満天の星空の下、のろのろと海岸まで歩く。

潮風がサーッと吹き、気持ちいい夜の散歩だな、なんて思ってみたりする。


ふと目線を下げると、その海岸の名前の立て札が。

小さなコンクリートの階段を下りて靴を脱ぎ、素足のまま砂浜を歩き出した。


シーンと静まり返った海岸に、小さな小波の音。それから砂浜の感触に、キラキラ光る小さな星たち。

インスピレーションが刺激される。
どんどん伝えたいことが増えていく。

作詞ノートを広げてそれを書き込んでいく。


『この海にあの星空も映っているのかな』

『小波が飲み込んでしまいそう』

なんてね。



それから小一時間作詞ノートに想いを書き綴り、流石にもう何も出てこなくなった。


そしたら、そのとたんに言い表せない寂しさが浮かんできた。


静かな海、誰も居ない海岸…。

最近、人と接する機会が多すぎて、逆にとてつもない孤独感と寂しさを感じる。


A「もう帰ろ。」


そう砂浜を後にしようと思った、その時だった。


静かな海岸にL◯NE電話の着信音が鳴り響いた。


そらる「もしもし、今大丈夫?」

A「結構な夜中に何ですか、そらるさん。」


こんな無愛想な返事をしてしまっているが、今は内心、とっても嬉しかったりする。


そらる「〜でさー、それがめちゃくちゃ面白かったんだけど…ってあれ、どーした?」

A「いやっ…何でも、ない、です…っ」

そらる「へー…。ゴメン、また後でかけ直すから一旦切るわ。」

A「はっ、はい!」


これもそらるさんの優しさなんだろうな。

涙を拭い、終電に間に合うように走った。

番外編(?)ってかただの話したいこと。(飛ばしてくれて構いません!)→←24話。



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ミミ - 文才ありすぎませんか? 好きです (2021年1月24日 20時) (レス) id: 5412205f13 (このIDを非表示/違反報告)
美雲 - このような、素晴らしい作品を作れるなんてとても凄いです。続き、楽しみにしています。 (2020年1月13日 16時) (レス) id: 0e776977f0 (このIDを非表示/違反報告)
たこ焼き(プロフ) - すみません…私事なのですが、苗字と、名前が被ってしまってとても読みにくいため変えてもらうことは出来ませんでしょうか? (2019年4月2日 22時) (レス) id: 9a6c0bea28 (このIDを非表示/違反報告)
ハヤテ - 夢主ちゃんは、パラジクロロベンゼンとか飴と鎖みたいな感じの曲を作るのかな? (2018年10月19日 22時) (レス) id: f0adf48f80 (このIDを非表示/違反報告)
林檎紅茶(プロフ) - 眠い(ーー)さん» コメントありがとうございます!星を押すほどの作品ではございませんよw楽しんでいただけて何よりです! (2018年9月24日 1時) (レス) id: 26bfe0290c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:林檎紅茶 | 作成日時:2018年7月3日 5時

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