直球勝負 ページ31
.
あ…、って思ったよりも早く《会いたい》と送っていた。思考より早く指が動いていた。
…何だよ、急に会いたいなんて。話繋がってないじゃん。
《会いたい》って一言のメッセージを送った事に後悔しつつ、反面何と返信が来るか少し期待する。
ふぅ…と一息ついてスマホを置いたけど、すぐにブブッと震えた。
《テヒョンさんの都合が良ければいつでもお店に来てくださいね。》
……うん、そうなんだよ。お店に行けば会えるんだけどさ。そうじゃないの。
《違うの。俺、Aともっと沢山話したいんだよ。お店じゃなくて、ゆっくり話したいの。》
スッと送信ボタンを押した。
俺も今までこういう気持ちを知らないからさ、この気持ちを真っ直ぐにぶつけて良いのか、隠さなきゃいけないのか分かんない。
ﾌﾞﾌﾞｯ───…
《えっと…それはプライベートってことですか？》
《そうだよ、もっとゆっくりAのこと聞きたいし知りたい。》
ﾌﾞﾌﾞｯ───…
《私ただのカフェ経営者なので…テヒョンさんの身に危険が及ぶ可能性のあることはしたくないんです…。
もし何か噂されたらどうですか？私はただのカフェ店員ですが、テヒョンさんはアーティスト。個人だけでなく、テヒョンさんの関係者皆を困らせてしまうんです。私はその責任を負えません。そんな世界も知りません。》
数十分経ってから来たAの返信は、そんな噂すら自分の踏み台にしていくような芸能界の汚いドロドロでもなく、
かと言って一般人だからワーキャー騒ぐようなペンでもなくて。
ただただ、俺の身を案じてくれていた。
逆に言えば、この子は俺に関ったから一般人とは違う立ち位置に立たされているわけだ。
一般人なのに、過激な俺達のペンに探られて嫌がらせされたり…とか。
今はそんなこと気が付いてないのかもしれない。
俺も分かってるんだから、そんな可能性があることを犯すべきではない。
…分かってる。分かってるんだよ。
けど俺自分の気持ちに嘘をつくと、精神的にしんどいからさ。
そしてこの気持ちにジミニのせいで気がついたからさ。
だから誰が何と言おうと、俺頑張って守るから。
自分のこともちゃんとするからさ。
会社も、メンバーも、俺のペン達も。
いつか認めてくれると信じているからさ。
その分俺、頑張るし有名になれるように努力しまくるからさ。
…お願い、ただ俺の事だけ見てよ。
芸能人とかじゃなくて、ただの俺をその瞳に映してよ。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 162人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ali(プロフ) - lemonyellowさん» はじめまして！初めてコメントいただけて嬉しいです！テヒョンをおじいさまとするのはどうなのかなーと思いつつも、彼は歳をとっても変わらず良い男性だろうなと想像して書き始めました。2冊目も開始しましたが最近話がまとまらず…また更新しますね！ (2021年2月21日 18時) (
レス) id: 5532d430b0 (このIDを非表示/違反報告)
lemonyellow(プロフ) - はじめまして。おじいさまなテヒョンさんを想像しつつ、2人の素敵なお話に、夢中になって最後まで読み進めてしまいました。今、目が乾いちゃっています。続きが楽しみです。 (2021年2月21日 17時) (レス) id: 121c3259e3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ali | 作成日時：2021年1月15日 7時
